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zoom RSS のび太の恐竜2006ドラファン的感想

<<   作成日時 : 2006/03/31 05:24   >>

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こちらは一般の方向けの紹介とは区別して
マニアックに行きます。
ネタバレもありますのでご注意ください

私は結局二回見てきましたが、
この映画は二回見てよい映画かもしれません‥‥
二回も観ることに堪えうるという意味でもありますし、
その方が作品を楽しめるという意味でもあります。

二回目は近所の映画館に行ったのですが、
春休みのせいか子どもがいっぱいでした。
しかし、一回目の都心の劇場(平日・最終回)がガラすきだったせいか、
むしろ嬉しくニヤ付いてしまう始末。
何より主対象の子どもの反応が見れたのが良かったです。

前にも書いたのですが、一回目に「ひっかかった」こと
というのはそのテンポの速さでした。
止まっている画があまりなく、常にぼぼーんと動いていくという印象で
もうちょっとゆっくりしていた方が良いのにと思っていました。
その方がもっと「泣けた」んじゃないかという気も‥‥

しかし、子どもたちの反応を見て、
それは大人の感想なのではないかと思えてきました。
キネマ旬報社の「20周年だよ! ドラえもんザ・ムービー」というムックで
芝山監督が語っていたところによると、
藤本先生は「ここで子どもは飽きて駆け回る」といったように
シノプシスに書かれていたということです。(※のび恐ではないです)
また、最後の2・3本では「もっと笑わせたい」とも書かれていたとか‥‥

「あたたかい目」やヅラなどギャグの場面では
子どもたちはとてもよく笑って盛り上がっていました。
そして動きの無い場面、説明調の場面、堅い場面では
本当にもぞもぞと動いておりました‥‥

子どもだから難しいことはわからないとかそういうことではないと思います。
そうではなく、「子どもが楽しめる映画」というのは
面白い映画の大切な要素の一つなのではないかと思います。
子どもが喜ぶ映画というのは、大人の視点では切り捨てがちではありますが
重要なことのような気がします。
ここで挙げては失礼かもしれませんが、例えばクレしんやポケモンの映画は
60歳男性におすすめする映画では無いと思えます。
ですが、それがこれらの映画が「面白くない」ということとは
別ではないでしょうか?

変な例えだとは思いますが、ドラ映画の場合、
「子どもにとっての面白さと大人にとっての面白さが両方狙える」
映画なんじゃないかなと思います。
だから大人にとっての面白さばかりを考えてはいけないかな、と
反省させられました。
「もう10分くらい長くして、もっとじっくり見せてもいいんじゃないの?」
というようなことを正直、一回目には考えていたのですが、
小さい子には今の状態でも
長くて辛いところがあったかもしれません。

ギャグについては同じ渡辺監督の「おばあちゃんの思い出」や「結婚前夜」
などと比べると、意図的に増やしてあるような気がします。
やっぱり本編だからということなのでしょう‥‥

そうしたことを考えさせられたのは、二回観に行った最大の収穫でした。


さてさて、今度は「大人の面白さ」、というかヲタクの感想で‥‥

☆のび太のまちを舞台とした部分
これはさすが渡辺監督!という感じでしたね〜
「ぼくの生まれた日」や「おばあちゃん」の時のように、
生活感がとてもよく出ていました。
また、小道具の一つ一つを取っても重要な役割を果たしている感じです。
ピー助が研究材料にされるかも、という部分で背景に映っていた本とか、
机の上の割れた卵を模したおもちゃとか、
ボールやソーセージを持っていくときに使った手さげなど‥‥

ママと会話をしていた妊婦さんの描写なども良い感じです。
卵を抱えて腹を膨らませたのび太とのギャグにも、月日の経過の暗示にも、
生命の誕生と祝福というものを重ねるにも‥‥

原作からして独立した作品でもあっただけに、(10巻)
この白亜紀へ(一回目)までの部分は
それだけで一つの映画になるくらい良かったです!
ウラを返せばその後の部分とのつながりが悪いということ
もあるのかもしれませんが‥‥(汗)

パパがのび太に語りかけるシーンは、噂どおりよい雰囲気。
「帰ってきたドラえもん」でもこうして優しく語る部分がありましたね‥‥

ピー助誕生のシーンは朝の光と合わさって実に感動的!
朝顔の描写と重ねているのがうまい。
あの朝の光の美しさは最高です!

おさしみを食べさせた後ピー助とのび太が眠るシーン、
そこで優しく見守るドラがまた良い。
あれが本当の「あたたかい目」ですよ、ドラえもん?


☆白亜紀の世界で
二回目の白亜紀で霧が晴れた瞬間に、
ぱあっと鮮やかな世界が広がる場面は
「公式ガイドブック」で渡辺監督や西田美術監督が
語られているように、美しいと同時に
違う世界へ来たのだということがよく表されていると思います。
のび太のまちも夏だったのですが、また違った印象があります。

みんなで食料集めをして、万能加工ミニ工場で缶詰をつくるあたりが
好きだったので、短縮されたのはちょっと寂しかったのですが、
時間のことを考えるとあれで良いかな‥‥と。
多分「ソテツの実のパン」「シダのサラダ」にひかれていたのだと思います…
のび太がピー助に何かあげているシーンは、
以前渡辺監督が着目していたので、やると思ったのですが。

道中の、月の光とさんご礁のシーンは短いですが印象に残っています。
食料探しを短縮した分、ここでしっとりしたという気も。
「君がいるから がんばれる」につながる場面でもあるのですね‥‥
傷みつつある靴の描写やのび太の不安も感じられて
省略している時間の長さも思わせます。

ティラノサウルスがしずちゃんを狙うシーンでは
かばう順番がピー助、のび太になっていたのがgoodでした。
のび太がピー助としずかを守っている形の方が好みです。

ただ、ピー助がきびだんごをヘディングするシーンは
二回観ても見えませんでした!
後の伏線になっているのでDVDでは直して欲しいです‥‥

プテラノドン改めクェツァルコアトルス襲来の場面は
スピード感が優先されたようですが、
ジャイアンを掴むところがちょっとあっさりしてたかも。
のび太がしずかを守れないと悔しがるシーンのカットはちょっと残念。
(ティラノのところで守っているのですが)

恐竜ハンターやドルマンスタインの悪役描写も良かったです。
あの「ハンターマーク」が決して「プールで飼う」のではないことを
うかがわせていましたが、
鎖につなぐ、ムチで打つ、花を踏みつける、油を垂れ流すと
まあ見事な悪役ぶりです。
バギーがハンターの差し出したおもちゃの中にあったというのも良いアイディア。

ドラたちが、なぜ基地を目指していたかが語られなかったのは疑問。
時間の関係か、何かマズい表現でもあったのか‥‥
ラジコンの操作はさりげなくスネ夫の活躍になってるんですね。

狙撃するドルマンスタインはカッコよかったのに‥‥
何が驚いたって、彼まで髪の毛が…だったことですよ!
これで一気にギャグに‥‥哀れ。

原作ではラストバトル?には不在だったピー助が参戦。
タイムパトロール側によって送り込まれたようです。
何であんな危険な場所にというツッコミももっともですが
まあ、仕方ないのかな?
きびだんごを食べさせたピー助を見てはじめて
おとなしくなるという演出で、
それ以前の場面では派手に暴れさせることができた、
というのもあるのでしょう。

捕まっていた恐竜たちも一緒に
ドラのポケットへ入れて、ピー助につかまって脱出、
というのも監督の工夫だそうです。(公式ガイドブックより)
だから基地が滝の裏だったのでしょう。忍者の隠れ里みたいですが。

ドルマンスタインがスピノサウルスに助けられているというのは
二回目で気づいたところです。
最後に「スピノちゃんごめんね」と言っていたような‥‥
悪役然としていたのがあっさり降参しているのが何ですが、これもアリか。

そして日本へ。
タイムパトロールの手を借りずに自らの足とピー助に乗って、というのが
こういうやり方で来たか!という感じでした。
ドタバタしたあとの余韻にも浸れますし、
のび太たちの、そして5人を乗せられるようになったピー助の、
成長を感じられる味わい深い場面に。

「のび太の机と重なる位置」が、あんな風に
一目で分かるようになっているとは思いませんでしたが‥‥
ま、まあそのあたりは「あたたかい目」で。

のび太の「ぼくも頑張るからね」が、さりげなくテーマにつながっています。
ピー助がずいぶんと大人の顔になっているのも良いなあ‥‥

別れのとき、
ギリギリまで後ろを向いていたのび太が「さようなら」と言う場面は
のび太も実に良い表情をしています。
そしてママに「うん‥‥ちょっとね」というシーン。
あれは「ちょっと」に、こめられたいろんなものを感じさせられます。
みんなも確かに少し大人っぽい印象に。
タイムマシンのおかげでのび太のまちでは
ほとんど時間が経っていないというのもニクいのですよね‥‥
まさに「ひと夏の冒険」。

見送るシーン、ボールを見つめるシーンがカットされたのは
最初は「?」と思ったのですが、ああいうのも良いかと。
マンガでやると不自然なのでしょうが‥‥
ただ、「ちょっとね」の後、もう一秒でも欲しかったところです。


☆声優陣の演技
これは声優さんというより脚本の問題なのでしょうが、
セリフが聞き取りづらいところがあったのが残念です。
「鼻でスパゲッティ宣言」のあたりは早かったので微妙‥‥
でも感情の表現は素晴らしかったです。
「あたたかい目〜」が耳から離れません。

劇団ひとりさんはさすがというかやっぱり上手いですね!
がけ下のおやじなどは本職に負けませんよ!
リサイクル業者が聴こえなかったのが残念。

船越さんは‥‥正直意外でした。
予告編の頃から分かっていたのですが、こちらも上手い!
俳優さんが「声優に挑戦」するのは個人的にあまり好きじゃなかったのですが
船越さんや劇団ひとりさんならなんら問題はありません!

神木くんは、つい先日気づいたのですが
ピー助→竜之助→隆之介というつながりだったんですね‥‥
それなら、もう彼しかいないでしょう。
小さい(小さくされている)ピー助の声は高く、
大きいピー助の声は低くという演じ分けもよかったです。
小さいときはいわゆる「動物的」な演技なので、
大きいときが人間っぽい声なのは、多分わざとかなという気が‥‥

スキマスイッチのお二人は
申し訳ないのですが二回観ても一人分しか分かりませんでした。
ふ、二人いたのか??
ですが、「ボクノート」はとっても良かったです!
作品と直接つながる歌詞ではないのに、作品世界にピッタリはまって‥‥
最後まで直されたという「探してたものは 目の前にあった」の部分が
耳に残ります‥‥CD買いますよ!


☆全体的に
全体を考えると、子どものことを考えても(長さ)、
やっぱり少しつめこみすぎだったかな、
という気がやはりしないでもありません。
セリフで聞き取りづらいところや、ヘディングの場面は
ストーリーに関わるのでやや問題もあるかもしれません。
それでも次々動いていく、子どもも飽きさせない画面、
美しい背景美術、飛行シーン、戦闘描写、
デフォルメの効いたキャラなど魅力的なところもたくさんあります。

あの小西作画監督(あるいは渡辺監督)の独特の「じゃじゃっ」とした線は
賛否両論あるかと思います。
背景が緻密なのでそのギャップもあるかと。
‥‥しかしこれは「慣れ」ですね。
次第にその味が分かるようになってきました。
ただ、あえてああいう太く伸びやかな線を描くということは
大勢の人が携わる映画の作画では難しかったのかなという気もします。
あのタッチは微妙なバランスを崩すと「…」な画になってしまうようで。
手抜きっぽいとの指摘もあるようですが、
それは多分バランスが崩れた部分だと思います。

以前に「ドラの絵は完成されていて、下手にやると動きが出なくなる」
というようなことをおっしゃっていた方がおりましたが、
本当にその通りだと思います。
ドラはきれいに描こうとすると、イラスト(止め画)になりやすいのですね‥‥
そういう意味では今回の作画は実に挑戦的なものであったと思います。

省略された旅の描写に比べると、のび太のまちの部分が長い気もしますが、
あれがあるからピー助との別れが辛くなるのですよね。
むしろ、後の別れを知っているとボール遊びの部分が切なくて‥‥

基地脱出〜別れまではオリジナル要素が強いですが
とても良い流れだったのではないかと思います。
あの黒い四角(のび太の机の位置)を見つけたときは
見ているこちらまで長い旅の終わりを感じて、じわっときてしまいました。
そして別れ。
個人的にはここで卵がかえったところからの
回想をやられないで良かったです。
テンポが悪くなるというより、‥‥号泣してしまいます。
それでも、脳内で各場面を再生してしまってやはり涙が。

ちょっとした奇跡で首長竜の卵をかえした少年、首長竜との心のふれあい、
仲間たちとの友情と冒険‥‥そして別れ。
こうした物語や映画の質から言っても
この「のび太の恐竜2006」は
一般の人に自信を持っておすすめできる映画だな、というのが最大の感想です。
前述の通り、大人でも子どもでも、そしてドラファンでも普通の人でも、
楽しませる実力がある作品だと感じました。

本当に正直に言いますと、「ワンニャン」や「ねじまき」、「宇宙開拓史」だったら
あんまり一般の人には勧めたいとは思わないです。
それは悪いとか面白くないということではなくて、
上で言う「子どもが楽しめる…」と同じような理由です。
でも、この「のび太の恐竜」は本当に一般の方に観て頂きたいと
心の底から感じております。
だから一般の人向けなどとしつこく紹介記事を書いているわけでして‥‥

「E・T」に影響を与えたという噂が否定されないだけのことはあります。
本当に少年の成長物語としてフツーに見てほしいと思います。

余談ですが、
昔、自分で「ドラえもんのひみつ道具図鑑(42巻限定)」なんていうものを
作ったときに、巻末に「歴代映画ベスト」をつけたのですが、
実はワースト1が「のび恐」だったりして‥‥
今回の映画で自分内映画順位がぐぐっと上がりました!

来年もリメイクのようですが(もっとドラ5号より)、
楽しみにしています!

全員サービスの「おさんぽドラ」は無事getしました‥‥

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