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zoom RSS 「ミニドラにおまかせ!」はおススメ!

<<   作成日時 : 2008/03/23 00:26   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 7 / トラックバック 0 / コメント 4

先日発売された岡田康則先生の「ミニドラにおまかせ!」は
ミニドラとのび太の組み合わせをメインに据え、
かつ人気のある道具を毎話紹介していくという
オリジナルストーリーが魅力的な一冊。

「コロコロイチバン!」に
掲載されたものをまとめたもので、
岡田先生のセンスや構成力を感じさせる
原作ドラファンも必見の作品に仕上がっています。

画像


「え〜? 藤子・F・不二雄先生じゃない
 『ドラえもん』なんて‥‥」
とお考えの方も少なくはないでしょうか。
もちろん個人の趣味・主義は尊重されるべきですが、
それはちょっとだけもったいないかもしれません?
「ザ・ドラえもんズ」や90年代以降の学年誌等で
「F先生じゃないドラえもん」に馴染みがある方は
比較的気軽にお手にとっていただけるかと思います。

とにかく本書では
ミニドラの使い方がうまい!


ミニドラと言えば
「自身が小さい・道具もミニサイズ・言動がより幼い」
という特徴があるかと思われますが、
それらを上手く活用して独自の面白さを引き出しているほか、
のび太との絡みにおいても、ドラえもんとの関係とは
また違ったテンポ・かけあいが楽しめます。

例えば「絵本入りこみぐつ」の話では、
のび太たちを適当に放って
タマちゃんとデートにでかけたドラえもんの代わりに
ミニドラが絵本の中に同行するという展開。
ドラが2人分しか「くつ」を出していかなかったため、
のび太はミニドラの出したくつを
"手にはめて"絵本世界へ行くハメになるなど、
「ミニドラの道具はミニサイズ」という設定を活用しつつ、
お馴染みの道具の新たな可能性を見出させてくれます。
さらにこの話では、鬼の体内に入ったミニドラが
腹で暴れることによってピンチを切り抜けるなど、
ミニドラが小さいという設定も上手く利用。
しかも「一寸法師」になぞらえることで
「絵本世界に入り込む」というテーマも昇華しているなど
岡田氏の構成力にうならされます。

また、ミニドラをメインに持ってくるにあたっては
ドラえもんの存在をどう処理するかが課題になりますが、
「寒いところには行きたくないと居残る」
「ネズミと遭遇して逃げ出す」
「ドラやきの独り占めを目論んで敵対する」
などなどドラが「退場」して
のび太とミニドラが組む経緯も
さまざまに練られていて楽しめました。

その他、
「複数の絵本のページをミックスすると?」
「お天気ボックスのカードを自作でごまかそうとすると?」
「きせかえカメラに何も入れずに写そうとすると?」
などなど、
原作にある設定や展開のフォローもキッチリこなして、
「ひみつ道具事典」的マンガとしての一面も見事にクリア。
「道具の紹介」ということと「ミニドラメイン」という
二つのテーマをこれほど上手く融合させるのは
なかなか難しいことだと思われます。
それで「オリジナルのマンガとして読んでも面白い」という
レベルにも達しているように感じさせるのは
本当にすごいとしか言いようがありません。

過去にもF先生によらない作品では、
むぎわらしんたろう先生の「ぼく!ミニドラえもん」 (未単行本化)
三谷幸広先生の「最新ドラえもんひみつ百科」など
類する名作が生まれていますが、
本作はそれらの良さを(おそらく)踏まえて、
さらに一歩先へ進みつつある‥‥のかもしれません。
※むぎわら先生は当時は「萩原伸一」名義でした
※方倉陽二先生クラスだともはや別格なので個人的に割愛…



とはいえ、
あんまり褒めてばっかりでも某学館の回し者のようですので、
少し気になった点についても。

まずは作画について。
「F先生に似てる・似てない」というのは
不毛になりますので差し置いて考えておりますが、
それを抜きにしても
ちょこっと等身が気になる……?

そもそも原作「ドラえもん」は今では珍しいと思われる
「四段コマ割り」・「キャラのほぼ全身が一コマに収まる」
という独特の表現なのですが、
それゆえか、頭に対して体が小さいように見える場面が
チラホラと。(のび太など)
全体がそのバランスで統一されているなら
作風としてはアリなのかもしれませんが、
コマによって原作と同じ比率だったり、
急に頭が大きくなったりと、
まちまちな部分が若干みられるのが残念です。

しかしこの辺は岡田ドラ独自の味に
なっていく要素かもしれませんので、今後の作品が楽しみです。
アップや引きの使い方や構図、
表情やポージングなどはなめらかで問題なく、
現代のマンガの表現と「ドラえもん」らしさが
うまく共存できているように思えます。
正直なところ、「翼の勇者」の頃は
「似てるし上手いけど、
 単独の『マンガ』としてはどうなんだろう?」
という(勝手な)印象だっただけに、
独特の勢いや動きある画になっているのは
本当に凄いなと感じます。

もうひとつは「ドラやき」が「どら焼き」になっていること。
もっとも描き文字ではちゃんと「ドラやき」になっているので、
編集者がボケているだけかもしれませんが‥‥。
「ドラやき」のドラはドラえもんと同じ「ドラ」じゃなきゃ嫌!
という自称「ドラやき」原理主義者なので個人的に気になるという
それだけのことで、申し訳ありません。
※現実世界の名詞一般としては「どらやき」が正しいので注意
静香は「しずちゃん」、
ドラのセリフは「きみは〜」「自分でなんとかしろ」
といったぞんざいな口調など、
この作品らしい要素はちゃんと押さえてはあります。
スネ夫が「ビビる」という表現を使うのは…まあ今風ということで。


その他ズッコケオチが若干多いように思えるなど、
気になる点も無くはありませんが、
全体としてのミニドラの活用や構成力の高さは
素晴らしいものがあると感じておりますので、
F先生オリジナルのドラえもん派という方も
ぜひぜひパラパラとめくってみてください。


ミニサイズの服になってしまう、
ミニドラ用「きせかえカメラ」でまともに着替える方法は?
などなど目からウロコの道具の使い方も盛りだくさん。

もちろん「ドララッタ〜!」や「ドリャ〜」
「オテテ〜」(お天気ボックス)など
人気のミニドラ語も満載です!



◇収録一覧

第1話 タケコプター/第2話 どこでもドア
第3話 絵本入りこみぐつ/第4話 きせかえカメラ
第5話 スモールライト/第6話 ほんやくコンニャク
第7話 タイムふろしき/第8話 お天気ボックス
第9話 ころばし屋VSおもちゃの兵隊
第10話 タイムテレビ/第11話 魔法事典
第12話 コエカタマリン/第13話 変身リングとカード
第14話 ムードもりあげ楽団/第15話 エスパーぼうし
第16話 フエルミラー

各話末に「ひみつ道具ミニミニ大百科」1ページつき
(原作での登場シーンと道具の解説、道具クイズ)

「コロコロイチバン!」05年第1号〜08年第18号掲載作品


◇書誌情報

コロコロドラゴンコミックス
「ミニドラにおまかせ!」
※表紙にのみ「ドラえもんひみつ道具スペシャル」という副題がある

著者 
 藤子・F・不二雄プロ (奥付表記)

 岡田康則
 原作/藤子・F・不二雄 (表紙・中表紙表記)

2008年3月4日初版第1刷発行
小学館

定価 本体390円+税
ISBN 978-4-09-140549-4


カバーをめくってみると表向きとは違うアオリ文が‥‥


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
確かにこの人のドラえもんは愉快で楽しいです!しかし、あなたと同じく、僕も[どら焼き]ではなく[ドラ焼き]派です!!あと、生まれて14年、まだまだ未熟ですがやっぱり岡田さんの書くドラえもんの口調がなれません…どうしても、漫画よりアニメの印象が強いので、[のび太くん]を[のび太]と呼びすてにしたり、[なにやってんだよ]とか、[あるか!そんなもん!]など、少し口が悪いような気がしなくもありません。やっぱりドラえもんは[のび太くん]です!僕は。
りっくん
2010/10/26 16:36
「ドラ焼き」派宣言ありがとうございます。

ドラえもんの口調に関しては、それぞれの好みの問題で構わないのではないかと思います。
F先生ご本人で無ければ、原作の口調も再現しきれるものではないでしょうし……

大山ドラもわさドラも、原作ドラもそして岡田ドラも、それぞれにある特徴を味わっていけば面白いかもしれません。こんなにいろいろな「ドラえもん」を楽しめる、それほど多様に展開されている作品だというのは素晴らしいですね。
私は「のび太!」呼びも「のび太くん」も好きです。
春巻き
2010/10/29 00:09
未読ですが、ここのレビューのお陰で是非読んでみたくなりました。
黒きオーラ
2011/07/27 18:28
こんにちは。
コメントありがとうございます。
F先生によらない「ドラえもん」は好き嫌いも分かれるかもしれませんが、オリジナルのシリーズには無い広がりや、良い意味での暴走(?)があって、独自の面白さがあるのではないかなとも考えています。
この作品はとにかくミニドラを中心とした物語が楽しいので、機会がございましたらぜひご覧になってみてください!
春巻き
2011/07/27 22:26

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