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zoom RSS ドラえもん08年09月12日放送感想(アドベン茶&ベロ相うらないで大当たり!)

<<   作成日時 : 2008/09/13 16:32   >>

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パパの大冒険をテンポ良いギャグで魅せる「アドベン茶」。
将来に迷う小説家志望の男の運命の分岐を
丁寧かつ緻密に描き出す「ベロ相うらない大当たり!」
今回は二つの話のコントラストが実に見事でした。

いやー、三十分枠アニメとは信じられないほどの
充実した今回。
1時間かけた誕生日SPよりも…げほん、
こういう回ができるなら、
やっぱりアニメ「ドラえもん」の灯は絶やしちゃいけないんだな、
ということを実感。


ひみつ道具クイズ特別編
本編以上に気合いが入っていると名高いオマケパートですが、
今回はいつにも増して表情がダイナミック&異様なノリ。

「そんな訳で突然のび太くんと宇宙を旅することになったので、
来週からは宇宙ひみつ道具クイズをお送りします」(ドラ)
ホントに突然だな…と視聴者もポカーンな展開。

「のび太星」と名前を付けることが、
なぜ「のび太様!」とあおがれるハーレム妄想になるのか、
野比のび太という少年の思考には謎が多い。


A アドベン茶 →てんコミ36巻「アドベン茶で大冒険」

言わずと知れた、パパの道具被害話の最高傑作?

原作からして、マンガならではの省略表現を最大限に生かした
テンポの良さが魅力でしたが、
今回のアニメでもカットのつなぎ方などを駆使して
流れるような一大冒険活劇に。

初っ端から「冒険だ!」と叫び、
息子の部屋で意味もなくアツく語りまくるパパのび助。
あげく「キャッホー!」と奇声を上げながら部屋を出て行くさまには、
視聴者は「なんなんだこのテンション…」とたじろがざるを得ません。

にもかかわらず、のびドラの二人は
まるでよそ事のようにクールに寝転がったまま。
この辺の温度差がたまりませんなあ。

親切なのか、わざとなのか、
ドラはアドベン茶を取り出し、のび太で実験を済ませたのちに
パパに差し出す。
「大冒険なら望むところだ」と
一口飲めば5分間ハラハラドキドキの冒険が出来るお茶を、
考えなしにガブガブ飲んでしまったからさあ大変。

あんまり後先を考えてなさそうなキャラを演じたら
天下一品の松本保典さんの本領発揮でしょう!

早速屋根から宙を舞って吹っ飛んでいくのび助を
冒険が始まったらしい
と呑気に見物気分で見送るのびドラ。

落ちた先のトラックには輸送中のトラ、
あわやというところで肉のにおいに気を逸らされると、
その肉屋ではママが平和に買い物中。

カーブで振り落とされた先には、
これまた脈絡も無くジャイスネがトランポリンなんかしていて、
ゴミ捨て場に落ちたところでようやく解放されたかと思いきや、
ボウリング場のボウルオブジェに追っかけまわされ、
オリンピック選手も真っ青のジャンプ力で川を飛び越える!

と、まあ余計な説明を端折って、
理屈も物理法則も無視しての
無茶苦茶振りが痛快の一言に尽きます。

そしてあからさまに吊り上げるためのロープが映っているにもかかわらず、
無防備に鉄骨に座り込むパパ。
このへんは道具の効果というよりは、彼の性格なのかもしれません。

なにせ廊下にドアがあればパンイチでも開けて入り込み、
サングラスが落ちてれば迷わずかけてみるという
まさに道具にヒドイ目に遭うために存在してるがごとくの
行動パターンは見事というほかないでしょう。

そんな期待に違わず鉄骨ごと吊られていくのび助。
見るからに 死亡警報 状態なのに、
ちょっとどちらへ? お父さん聞いてらっしゃいます?」
などとのたまう先生には笑わされました。
「親子ともども落ち着きがない!」って文句を言う前に
事の異常さに気がついてやれよ‥‥

冒険もいよいよ佳境。
クレーンから振り子よろしく吹っ飛ばされていくパパが
「ファイトォオオオ(いっぱぁつぅぅぅぅ)!」
とどっかで聞いたような雄たけびを上げると、
これまた絶妙なタイミングで空中に投げ出された子どもをキャッチし、
「名乗るほどのものではありまっせ〜ん」と
ドップラー効果で遠ざかっていく!


とにかくツッコミ不在のバカバカしさ。
誰ものび助の置かれている状況に気がつかないのがいいですね。
ここまで現実離れしたことで
「外はあぶない、出ちゃいかん!」と語るのび助のセリフにも
本人にしか分からない切実さが滲みます。

のびドラが「おかえり〜」と相変わらず呑気なのも
良いスパイスでした。


B ベロ相うらないで大当たり! 
 →てんコミ12巻「ベロ相うらない大当たり!」

劇場版でおなじみの渡辺歩監督が絵コンテを手がけた話。
クレジットを見る限り、「脚本」にあたる方が居なかったようなのですが?

とにかく通常放送とは思えないほど映画的!
背景の緻密さと、
丁寧な人物描写、演技の細かさに釘付けになります。

塀のかげから様子をうかがうのび太、
スイカ網を握り締めるさまなど、
序盤から芝居の細かさに「おっ」と感じさせました。

<あらすじ>
スネ夫の手相占いに対抗して、タイムマシンで見てきた未来を
「ベロ相」と称して語るのび太。
そこへ自分は文学を続けるべきか否か占ってくれと詰め寄る男。
五年後の冴えない未来を伝えると、諦めて商売でも始めると語る男だったが、
このことで未来が好転したかが気になったのびドラが、
再び五年後を見に行くと、アルバイトをしながらも
小説を書き続けていた男の姿があった。


大筋では確かに原作通りなのですが、
その一つ一つの場面や動作を人間的に丁寧に描いていくだけで、
こんなにも印象が違ってくるのかと驚かされました。
本当にただ味も素っ気も無くなぞってた時期もあったからなあ‥‥

スネ夫、しずか、ジャイアンの
火難、水難、女難の連続災難ギャグも面白かったのですが、
今回の見所はやはり文学青年(中年?)の生き様。
それが緻密な描写と相まって、実に胸にしみます。

まずは第二の五年後(分岐後)の元高のアルバイト先の部分。
工場街の仕出し弁当屋」というのがまた渋い!
ご覧になった方は記憶に残っていると思いますが、
いつものあの「のどかなご町内」ではなく、
本当にどこかにかつて(今も)あったような街並みが描かれます。
「高架下の踏み切り」や「上下に動く工業機械」の中を歩くのびドラ。
こういう画がじ・つ・に良い!
通常テレビドラえもんでこんなのが見れるとは‥‥
しかし、異色ではありますが、
昭和的世界観には合っていると思います。

そして弁当屋の店先で大鍋を洗う元高氏の姿。
本当に夢を諦めてしまったのか、と感じさせつつも、
実際にはそうして生きて来た人の方が多いかもしれない、などと、
見る者の胸に様々な想いをよぎらせる一瞬です。

しかし彼は諦めていなかった。
「アルバイトを始めて気がついた。
 文学と同様にどんな仕事にも難しさややりがいがあるのだ」
「それが両立できるようになったら、
 ようやく自分でも満足のいくものが書けるようになった」
「売れても売れなくても構わない」
と静かに、しかしはっきりと語る元高。

この語りと同時に家の各部を映し出していくのが
渡辺節なのでしょうか。
風呂場に干されている靴下、台所に積まれた食器と鍋など、
確かに人が生きて来た証のようなものが感じられます。
弁当屋で働いている場面を丁寧に描いていたことで、
その発言を支える自信をもうかがえる構造に。

原作ではさらっと述べていただけの
「アルバイトをしながら原稿を書き続けている」
という部分をここまで上手く膨らませられるとは
本当に見事でした。


その他、部屋に差し込む夕日の描写も印象的です。

最初に冴えない五年後を聞かされたときには
昼と夜の境目であると同時に
希望と絶望の狭間のようなものを、

迷いを捨てた二度目の五年後では、
明るく輝かしいものではなく、終わりに向かうものかもしれないけれど
確かに美しさを放つものだ、ということを、

それぞれ対照的に感じられるように思いました。

このブログでしつこく主張してきた
「わさドラは光と影の表現が実に良い!」
という部分が結集したような話に仕上がっていたと思います。

 ◇

省略を上手く利用してテンポで見せていく「アドベン茶」、
丁寧な描写で見せていく「ベロ相」、
それぞれの対比が見事な回でした。

と、いうか「キャッホー!」で始まって
「自分の信じた道を進む…!」で終わるギャップ
というのも
凄まじいですねえ。

そんな幅の広さも「ドラえもん」という作品の魅力でしょう。


次回は9月19日
のび太が無人島で3000日」(原題:無人島へ家出)

のび太の無謀すぎるサバイバルと
あまりにくだらない原因の「アニメ最終回の危機!」が見所。

二十歳のび太の声‥‥大原さん??

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