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zoom RSS マンガ「T・Pぼん」とライトノベル「封仙娘娘追宝録」11巻のカンケイ?

<<   作成日時 : 2009/02/24 00:00   >>

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先日騒いだように、
私が愛してやまない作品である
ライトノベル「封仙娘娘追宝録」の最終11巻、
「天を決する大団円(下)」が発売されたのだが、
あとがきで著者のろくごまるに氏が
「外してはいけない参考文献」として、
藤子・F・不二雄先生の「T・Pぼん」を挙げていた。

何を隠そう(までもなく、このブログをスクロールすれば分かるが)
私は大の藤子・F・不二雄ファン、
それも「T・Pぼん」と言えばF作品でベスト3に入るほどの好き作品!
ちなみに「封仙」もライトノベルでベスト3には入るのだから、
このブログで取りあげない手はあろうか、いやない!

と、言うわけで両作品を心から愛する人間として、
どのへんが「参考文献」とされたゆえんなのか、
勝手に推測してみようかと思う。

なお、ネタバレの危険が高いので、
「封仙11巻」を近日読む予定の方はご注意を。
「ぼん」が未読の方に関しては全く問題ナッシングです。

一応どちらかしか知らなくても分かるようには配慮しましたが、
なぜか下の方にドラえもんネタが混ざっています。



 ◇

では結論から申し上げますと、

確かに作中の表現の一部は「ぼん」のものとほぼ同じである、
だが、その解釈と作品への応用は
まちがいなくろくご氏独自のものである、


と、いうことです。


やっぱりあとがきから先に読んでしまったので、
「ぼん」を参考にしている事は分かっていたのだけれど、
直接的なつながりというのは予想以上にストーリーに現れない。
読んだ方はご存知でしょうが、
本当に最後の最後になってちゃぶ台をひっくり返すところの
理屈付けに使われていた程度に過ぎませんでした。


では具体的な引用に移る前に、簡単に両作品の紹介を。

まずは「T・Pぼん」について。(『タイム・パトロールぼん』と読みます)

藤子・F・不二雄先生によるマンガ作品で、
不幸な死に方をした人を、歴史に影響しない範囲で助けるという物語です。
主人公が「ぼん」という名の少年で、
ちょっとした手違い(?)からタイムパトロール隊員になってしまい、
ドジを踏みながらも、限られた人しか助けられないことに苦しみながらも、
毎回の救出劇に挑んでいきます。
救出の舞台も古代エジプト、平安日本、奴隷時代アメリカなど
いたる場所・時代にわたり、
歴史上の偉人ではなく、
その時代に生きていた普通の人がどんな暮らしをしていたのか、
そんな側面に興味のある方には、ぜひご覧頂きたい作品です。

ここで押さえておきたいのは、
<「歴史に影響しない人物」に限るとは言え、
 過去に介入して人の生死を変えていること>

でしょうか。
隊員であれば過去への移動に制限はありません。(指令が出ている時)
それでは矛盾もあるのですが、一応、
「歴史には復元力があって、
 大きく流れを変えようとすると元に戻そうとする力が働く」

ということになっているので、アリらしいです。
(15世紀に5万人の命を助けても、20世紀に12人増えてるだけで済むとかいう無茶もありましたが‥‥)

で、この作品における歴史の捉え方が、
例の「積み木」≒「ブロック」ですね。
そのへんは後で詳述いたします。

なお、この「T・Pぼん」は昨年末に
潮出版社から全三巻のスペシャル版(一部未収録)として
復刊されていますので、よろしければご覧になってみてください。
<追記>
小学館より「藤子・F・不二雄大全集 T・Pぼん」として
全話収録で復刊されました。(全3巻)
現在はこちらの方が入手容易です。
また、中央公論新社より文庫版も発売されています。(未収録多数)


では今度は「封仙娘娘追宝録」(ふうせんにゃんにゃんついほうろく)について。
これは、ろくごまるに先生による
ライトノベル(イラストが多めのエンタテイメント小説、やや若者向け)で、
仙人になりたての少女がある不手際によって、
欠陥宝貝(ぱおぺい、仙人の道具)を人間界にばらまいてしまい、
人間界の混乱を収拾するために、仙術を封じてただの娘として
宝貝の回収にあたるという物語です。
宝貝は本来「中に無限の空間を持つ瓢箪」など
便利で不思議なものなのですが、
「至高の味わいながら宿酔いが酷すぎる酒を造ってしまう徳利」
などなど、落としてしまったものの多くは
やっかいな欠陥を持つものだからさあ大変。
道具でありながら、人間形態をとれるものも多く、
欠陥も含めて非常に個性に溢れた宝貝たちが物語を彩ります。
主人公の少女の相棒が「情に脆い刀」(男性形態)というのも素晴らしい。

なんというか、青機械猫など「不思議道具」モノが好きな方なら
楽しんでいただけるのではないかと思います。
富士見書房から長編11巻、短編(奮闘編)5巻が発売中。
<追記>
2016年6月に電子書籍版が発売されました。
各種電子書籍販売サイトにて購入できます。

最初に手に取るなら長編の1巻「天を騒がす落とし物」か、
短編1巻「くちづけよりも熱い拳」をおススメいたします。

で、それと「ぼん」の歴史理論がどう絡むかと言うと、
最後の最後の事態の収拾に応用されたという話。
話の本筋自体にはそれほど関係ないので、
これを知っていると面白くないとかそういうことはありません。(たぶん)

 ◇

では、いよいよ具体的な話へ。
「封仙」11巻のP334以降の部分です。

「歴史というものは、
一つ一つの積み木の組み合わせでできた壁だと思ってくれていい。
下の積み木があって上の積み木が載せられる。
過去があって現在がある。
現在の上にまだ載っていない積み木が未来だね」
(富士見書房「封仙娘娘追宝録」11巻 p.334)


というセリフがあるのですが、
これは「ぼん」におけるものとほとんど同じです。

クリックで拡大「T・Pぼん」における歴史のブロック理論

(小学館,藤子・F・不二雄大全集「T・Pぼん」2巻,p.63-64ほか収録)

「ブロック」が「積み木」になっていますが、
「封仙」では外来語が使われないので、まあ当然でしょうか。

「ぼん」ではこのあと以下のように説明が続きます。(一部)

クリックで拡大。コンビニ廉価版をスキャンしたので画質が悪いです…
2コマ目と3コマ目

2016年こっそり画像を修正しました。封仙電子書籍化ばんざい! BookWalkerで全巻買いましたよ。
4コマ目と5コマ目
 

念のためセリフのみ抜き出すと以下になります。
人類発生以来
無数の人びとが無数のできごとを経験してきた
そのできごとの一つ一つをブロックにたとえれば
歴史というのはそのブロックで組み上げられた
くずれやすいブロック塀だ
現代のぼくらはいわばそのてっぺんに住んでるわけだ

たくさんのブロックの中にはできの悪いのもある
T・Pの仕事ってのはそれをとりのぞくことなんだ
でも……どちらかといえば
ほかのブロックにしっかりとくっついていて………
それをぬきとるとほかのブロックもぬけちゃうという
そんなのが多いんだ

そんなのをむりやりひっこぬくとどうなる?
そこからあとの歴史は すべてなかったことになる
すべての人びとが消滅する!!

(※引用元は上記コマに同じ)

別作品ではありますが、
「歴史を積み木=ブロックとしてとらえる」というのが
どういうイメージかはつかみ易くなったのではないかと思います。

で、はありますが、
同じなのはこの「歴史」の基本概念 まで です。
それ以降はろくご氏の解釈…もしくは別に参考にしたものがあるか。
むしろ「ドラえもん」とかの方が近いかもしれません。

「封仙」ではこの後以下のような説明がされます。
※私的要約&解釈なので間違いあったらすみません

『歴史が変わってしまったことによって、
 本来なら存在したはずの者たちの痕跡が、
 縁のあった人間には黒い影として見えた。
 言わば歴史の壁から弾き出された積み木である』

『歴史の変わった今の世界は、
 積み木の組み立てが狂っている世界とも言える』

(ある方法で過去を変えると…)
『積み木の組み直しが起こる。ただし今回は一部の流れが変わるだけで
 狂いは消えるまではいかない』

『だが、積み木の持つ想いは残る。
 原因は無くなっているのに恨みや復讐心は消えない』


ええと…「ぼん」をご存知の方は分かると思いますが、
この辺は全く「ぼん」の理論とは関係ないですよね?

それゆえに、はじめに述べたとおり、
『一部の表現は「ぼん」のものと同じだが、その解釈と作品への応用は
 まちがいなくろくご氏独自のものである』
ということになる訳です。

なので、「ぼん」を読むと
「封仙」11巻のややこしい部分が分かるようになるとか、
残念ながらそういうことはありません。
が、「歴史を『積み木』と考えるのって面白い発想だなー」
「過去を変える事の制限とかそういう話って好きだなー」
と感じた場合には、お手にとって頂けると藤子Fファンとして嬉しい限り。
時間と歴史を扱った作品として、劣らぬ名作だと思います。

逆に「封仙」は知らなかったという場合、
上で引用したような「黒い影」や「想いが残る」という部分が
やっぱり独特なのではないかと思います。
矛盾があるような気もしないでもありませんが、
「仙術的思考」がベースにある作品なので、
難しくもなかなか知的に刺激される要素が多いでしょうか。
(「進入不可能の特異点をつくることで無限に近い空間を生み出す」
といった卵ヒヨコ系が多いです)


個人的には『原因が無くなっているのに復讐心が残る』
というあたりを読んで、
「ドラえもんを送り込んだセワシ」を思い出してしまいました。
ドラえもん世界では歴史が変わると痕跡も残らないようですが、
「記憶」はどうなってんのかなーというのは
つねづね疑問に思っていたのです。

たとえば、「今年のお年玉が50円」だったセワシは初回の頃だけの話で、
いつの間にか「夏休みに立体インベーダーでなら遊べるくらい」の
そこそこの家庭レベルにはなっているようです。
まあ、セワシの言うことがどこまで本当だったかの保証はないのですが。
のび太が少しはしっかりして、しずかと結婚したことで、
未来が好転したと仮定するとして‥‥
それでもセワシはドラえもんを過去に送り続けなくてはならないのですね。
そうしないと物語が始まらないから。そうしないと「お年玉50円」に戻るから。

その場合のセワシの意識とか記憶ってどうなってんだ?ということです。
もう前ほどの切実さは無くなっているけど、それでも
「なんかひいひいじいちゃんのところに
 ドラえもんを送らないといけない気がする!」

てな、本人にも謎の「想い」に動かされてるのでしょうか。やっぱり。

まあ、「鉄人兵団」で元のリルルを覚えているらしいのび太とか、
結構F先生もアバウトというか、ぼかしていた感じもするのですが。

とにかく、個人的にセワシの謎は、
「封仙」の「想い残留」理論で脳内補完することにしました。

逆にそう考えると「封仙」のKさんのことも分かりやすくなったような。

もうちょっと「封仙」的に補足すると、
「結果が分からなくても過去に人形(刺客)を送り続ける有巣」と
同じなんだと思います。
すごいや、セワシと五仙さまが繋がったぞ!

「想い」に関しては「再来砂」(殷雷の最期!)の話の方が分かりやすいかも。
『なんかよく覚えてないけど、和穂のために何かしなくては!』というやつですね。

 
 ◇

と、いうわけで、
長くなりましたが、実はちっとも説明になっていない
「T・Pぼん」が「封仙娘娘追宝録」の参考文献とされた件については以上です。
なんだかんだ言って、「ぼん」も
「参考にしないための参考」の意味合いが強かったんじゃないかと思います。
確かにろくご先生にしては珍しく(たぶん)
ほぼそのまま利用しているような表現もあったのですが。

‥‥セワシの類似とか、単に私がFファンろくごファンだからじゃなくて、
「ドラえもん」もなんとなく「参考にしないための参考」になっているような
気がするんだけどなー。不思議道具だし。


「封仙」ファンにも「ぼん」ファンにも
よく分からない内容になってしまったかと思いますが、
一時の時間つぶしにでもなりましたら幸いです。


<追記090302>※「11巻読書中のリアルタイム実況メモ」をアップしました。

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