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zoom RSS ドラえもん09年12月31日放送感想(どら焼き伝説を追え!&45年後…ほか)

<<   作成日時 : 2010/01/01 23:55   >>

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恒例のドラえもん大みそかSP。
正式タイトルは
「大みそかドラえもん 映画30周年!全部見せますスペシャル」
として、アニメオリジナル「どら焼き伝説を追え!」と
原作でも名作と名高い「45年後…〜未来のぼくがやって来た〜」
さらに「バイバイン」と「海賊大決戦〜南海のラブロマンス〜」
の2本が再放送されました。


まずはSP回おなじみのブリッジアニメからスタート。
なぜかのび太たちの姿が見当たらず、
ドラ一人で大みそかの挨拶をしていたところ、
突如グラサンのネズミ集団が現れ、
ドラを巨大な虎のハリボテの中に閉じ込め拉致っていきました。
テレビ朝日にはネズミの特殊部隊でもいるのでしょうか。


OP「ドラえもんアニバーサリー25」
(夢をかなえてドラえもんver.)

今回のオープニングは
2004年に「ワンニャン時空伝」と同時上映された
「ドラえもんアニバーサリー25」を
現OPテーマ曲「夢をかなえてドラえもん」に合わせて
編集されたものが流されました。

突然大山ドラのデザインに戻ったので何事かと思いましたが、
魔美とF先生、芝山監督?が描かれるカットで
ようやく思い出すことができました。懐かしい!

当時の映画パンフレットを引っ張り出してみたところ、
監督:本郷みつる
作画監督:高倉佳彦
と、短いながらも豪華スタッフによる作品でした。
さらに上映時間は「5分」とあったので、
今回はOPの尺に合わせて切り貼りされていると思われます。

30周年ではなく25周年時点での作品なのは残念でしたが、
まさか今になって一部でもテレビアニメ版で流されるとは
思ってもみなかっただけに感激です。
大みそかSPにこれを持って来るとか、わかってるなあ!

 ◇

どら焼き伝説を追え! →アニメオリジナル

<あらすじ>
武蔵坊弁慶がドラ焼きを作ったという説を知ったドラえもんは
平安時代に行ってドラ焼きの元祖を味わおうとするが、
牛若丸と弁慶の対決に変な介入をしてしまったために、
歴史が変わり、ドラ焼きは和菓子屋から消えてしまった!
再び過去に戻り、ちょっと気弱な牛若丸に特訓を施すドラのび。
果たしてドラ焼きは現代に復活するのか!
ついでに牛若丸は弁慶を倒し、家来にすることができるのか??


つかみともいうべきドタバタギャグ系のお話。
とにかく「ドラ焼きの元祖を味わう」という目的ありきで、
手段も動機もムッチャクチャではありましたが、
なんとかリモコンをぶん投げるようなレベルには至らずに
踏ん張っていたように思えます。
ちょっとヒヤヒヤしましたが。

ただ、この話を普通に落ち着いたトーンでやっていたら、
悪い意味で「学習マンガ」っぽくなっていたかもしれないので、
これで良かったのかもしれません。

に、してもドラ様見境無く暴走しすぎです。
完全にアブナイ人(?)になっていましたよ?

先日の「マッチ売りのドラミ」と同じような位置づけで
視聴するのが良いのかなという気もしました。

以下、こまごました点について。


・続:「ダメだこの青ダヌキロボット早くなんとかしないと」
前回放送の「聖夜ののび太クロース」で
ひとりだけ家の手伝いもせずに
「ドラ焼きクリスマスバージョン」を味わおうとしていた
練馬区在住のドラえもんさんですが、
今回も大掃除をサボって「どらやき大百科」なる
怪しげな本を読みふけっておりました。

お世話ロボットが世話しておりません。
むしろ今回は全面的にのび太が世話してます。
ママに窓からポイ捨てされる日も近いかもしれません。

……という冗談はさておき、
後に控える「45年後…」がしっとりした味わいなので、
スペシャル回のつかみとして、
ハイテンションで馬鹿やっておこうという試みなのかもしれません。
のび太が暴走する話はこないだやったばかりだし。


・SP回の視聴者サービス:コスプレ
今回はドラが天狗、のび太が牛若丸と同じ平安衣装に身を包みました。
したたかに打った鼻の腫れがひかないというのは
恐ろしくリアルな性能なんでしょうか。
そういえばきせかえカメラに髪型変える機能ってありましたっけ?
いや、のび太のポニテ(違 は意外と似合っていましたけど。


・「牛若丸がこんなヘナチョコなわけがないよ〜」(ドラ)
……こんなヘナチョコでした。
相変わらずドラの毒舌は冴えています。
続く「きみ、きみ、傷は浅いぞ」もなんか好きなセリフです。

さておき、かの牛若丸(義経)が
素質はあるがちょっと意気地なし(ヘナチョコ)というのは
「名刀[電光丸]」の武蔵を思い出させる感じで、
Fっぽさが出ているかなと思いました。
決して美少年ではないことも(たぶん)重要。


・「ドラ焼きのない世界なんてとても生きていけない!」(ドラ)
昨年は「ネズミ年の地球なんかこなごなにしてやるんだ!」
と騒いでいたドラえもんさんですが、
今年も今年で世界レベルでの破滅や絶望を訴えています。
毎年大みそかになると何かが覚醒しそうなほど追い詰められるのが
お約束になってしまうのでしょうか。

・ドラ焼きのある世界を取り戻すんだ!
同一地点への介入を繰り返すと、
消しゴムをかけすぎで破けちゃう…という
某T・Pネタはとりあえず置いておくとして。
いや、わさドラ界でも小石が世界を救ってますけど。

ともあれ、余計な介入をしたばかりに
ドラ焼きが歴史から消えてしまうという展開は
ちゃんとドラえもんらしさが残ってて良かったなという印象。
この辺りが無くて、ただドラが暴走しているだけだと、
白ける方に傾いてしまったんじゃないかと思えます。

「牛若丸と弁慶の邂逅がドラ焼きでしか歴史に関わらないのか
と、いうツッコミももっともなのですが。


・いいぞ! 牛若丸!
つい先日まで「ヘナチョコ」と評していた人とは思えません。
頬を染めてチアリーディングのポンポンで応援する
のびドラの乙女っぷりが笑えます。


・「サギだペテンだインチキだ!」(ドラ)
餡は『取っても大好き』なドラえもんですが、
生地は焼かないとおいしくないらしいです。
しかし鼻が腫れたと思ったら、今度は熱を出し、
その熱でドラ焼き生地がおいしく焼けました、というのは…
無茶苦茶だけれど妙な勢いがあって、まあ良し!?

・どら焼きの「どら」は〜
「ドラえもん」から名前を取ったという作品内設定ができました。
ならわさドラ内でも「ドラ」焼きにしましょうよ!
原作では「ドラ焼き」なんだし。
現実世界の名称は「どら焼き」なんだってのは
大人になるまでに気がついてショックを受けるのが通過儀礼。

 ◇

海賊大決戦〜南海のラブロマンス〜
 →アニメオリジナル、07年6月28日分再放送

こちらは恒例の再放送枠。
この話が好きな方には申し訳ないのですが、
わさドラでも屈指の微妙さと評判の回ではあります。

個人的には私も他の話の再放送が良かったなと思うのですが、
芸能人の方々と着ぐるみの実写トークで構成された
いつぞやの大みそかを思えば、これしきは無問題?

「ビミョー」としか印象に無かった話が
果たしてどれほど微妙か、なぜ微妙だったのか、
頭を冷やして改めて考える良い機会ともなりました。

放送当時はスルーして感想記事を書かなかったので、
少しばかりまとめてみたいと思います。
なお、この話が好きな方には
不快な表現が含まれる可能性が高い
ので、ご注意ください。 
次の項目までスキップ


<微妙点>

・前半の作画が乱れている
 私のような節穴目でも、ときどき別人顔に見える……

・「ドラえもん」でやる意味がない話では?
 ならばギャグが突き抜けてるとか、キャラが立ってるとか
 他で補わなければならないのだが、それも弱い。

・誰が面白いんだこの話?
 ドラ・ジャイ・スネはもちろん、のび太も活躍せず役立たず。
 男連中がそれだから、せっかくの海賊素材なのに冒険ものになっていない。
 ドラミは居る意味があんまり無い。
 ではしずか視点のラブロマンスかというと、
 ケネスが「しずかに惚れられるために配置されたキャラ」で
 失礼ながらキャラの厚みが無く、不自然で説得力がない。
 つまり、「誰が喜ぶんだこの話?」状態。
 現役の女の子には人気があったらしいですが(「お話30」途中経過より)。

・手段と目的の入れ替わりがギャグにもなっていない
 しずかメインでラブロマンスをやるという目的ありきで、
 それに至るまでの展開やキャラ設定(特にケネス)がかなり苦しい。
 その他、例えば「ほどほどあらし」を出す場面の
 「そこそこ安全な嵐を出してよ」というセリフなど
 明らかにこの道具を知っているかのような
 後先逆の妙な言い回しも気になる。

・「ドラえもん」として最低限踏むべきラインがあやふや
 大嵐の中で平然とタケコプター使わないでください…… →アニマル惑星
 あんな超人的催眠術が使えたら海賊じゃなくて陸で大活躍できるね!
 で、「すこし・ふしぎ」はどこいった?

・ジョニー船長
 放送当時のようなアオリがないだけ良かったが、
 今となっては異様に浮いているモブその1でしか……
 ええとですね、当時
 「パ○レーツ・オブ・カリビ餡/ワー○ド・エンド」が公開中だったんですよ。
 …こういうことになるから、変なタイアップはやめれと。


<良かった?点>

・「ドラえもん」で海賊ものをやろうという試み
・しずか視点に恋愛要素を絡めるという挑戦
 
 この話での反省を生かして「しずかちゃんが消えた?」につながったのなら
 本当に良いのだが。
・震える手で剣を構え石を壊しにかかるしずか
・船の爆発のとき真っ先にしずかを助けに行ったのび太


 ◇

ブリッジアニメ(続き)
アルティメットクイズショー

映画ドラえもん30周年にまつわるテーマ別エピソードを紹介し、
ドラたちが関連クイズに答えていくというコーナー。
今年は絵が崩れていなくて良かった……

ドラものび太もジャイスネしずも
本人たちが全くあずかり知らないところで
豪華特設会場が設営され、
強制的にクイズに答えさせられることになります。
不正解だと超宇宙バンジーとして遥か上へ吹っ飛ばされます。
しかも選手紹介的イメージ映像まで作成されていました。
これがもう、格闘イベントの入場に使われるような
かなりそれっぽいやつで、
映像ではファイティングポーズをカッコよく決めてるのに、
本人たちは普段着でキョドキョドしているというのがたまりません。
仕掛け人であるところの「Mr.クイズ」はドラの道具らしいですが、
使用者は誰だ!?

・キャラクター編
 ピー助、ルフィン、バギー、グースケ、チュン子など人気キャラから
 懐かしどころまで幅広いチョイス。
 エモドランはともかく、ジャイアン似のいけにえの子とか
 なかなかマニアックなところをもフォローします。

・芸能人ゲスト紹介
 何かと是非が問われる芸能人の方の出演ですが、
 こうしてまとめてみると、随分いろいろな方が携われたのだなと
 感じるところがあります。
 森繁久彌さん演じる鳥野博士の場面も貴重でしょうか。
 
・へんなひみつ道具
 …と言えば欠かせないのが「荷物運び用荷物」。
 大山のぶ代さんが「『お』荷物〜」というのもおかしくて
 お気に入りの道具(?)でした。
 「普通のドライヤー」も笑ったなあ。

・最強(ジャイアンの歌列伝)
 「翼の勇者」で「ホ」「ゲ」と叫ぶのは「歌」扱いなのか?

・お風呂(しずか)
 微妙に規制気味のテレビ版においては貴重なコーナー。
 クイズとは関係ないあたりなんと言うか……

・テーマソング
 「手をつなごう」「ボクノート」「Love is you」など
 有名アーティストの名曲を挙げ、
 そして「少年期」に持ってくるという見事さ。

 しかし、「武田鉄矢さんが6作品を歌ってくれています」
 というのは「武田鉄矢一座」や「海援隊」名義を
 含んでいるのではないかと思うのですが……
 「私のなかの銀河」は武田さんボーカルじゃなくてコーラスじゃん!?

・「人魚大海戦」テーマソング紹介
 既に各所で発表のあったとおり、青山テルマさんの「帰る場所」と
 映画予告編映像が流されます。

・クイズ終了〜優勝者決定
 お約束どおり最終問題は得点が倍になり、
 優勝はドラえもんチームに決定。
 ……チームって一人なんですけど
 この結果がプレゼントクイズへの解答になっていました。
 
ビリになったジャイスネチームは空高く逆バンジー発射。
なぜか空気がある月で虎に追い掛け回され、めでたしめでたし。

昨年のように過去作品出演キャラがゲスト再登場という
サプライズはありませんでしたが、
取ってつけたような歴代映画まとめにはならず、
大きいオトモダチにも嬉しいマニアックなチョイスが楽しめる
ブリッジアニメでした。

 ◇

バイバイン →てんコミ17巻 08年7月25日分再放送

言わずと知れた、くりまんじゅうが世界を滅ぼしかけたお話

詳しい感想は放送当時書いたものがありますので、
そちらをご参照ください。(オチバレあり)


今回改めて感じた事は、
オチを知っているからこそ怖くもあり、
オチを知っていると面白さが減る作品でもあるな、
ということ。

矛盾しているようですが、まず前半について。
これは、一つでも残したらくりまんじゅうが倍々に増えていって
ラストであふれかえるということを知っているからこそ、
「ああ〜やめてやめて!」と言いたくなる怖さが
あるということでしょうか。
割れるとわかっている風船を膨らませ続けるような怖さで、
繰り返し読める原作のすごさも再確認させられます。

そして「オチを知っていると半減する」という部分については、
ひとえに、わさドラ版独自のあの終わり方。
ぞっとするのですが、それはやっぱり
初見ならではの楽しみかなという気もしました。
それでも原作を『繰り返し読んでいるからこそ』
予想だにしない展開に背筋が凍るという構成は実に見事です。

原作話をただそのままなぞってアニメ化するのではなく、
こういうプラスアルファがあると嬉しいという、
良い意味で典型の名作でした。

くりまんじゅうの光沢最高!

 ◇

45年後…〜未来のぼくがやって来た〜
  →プラス5巻 原題「45年後…」

<あらすじ>
先生に叱られ、今日から生活を改めようと反省したのび太。
しかしジャイスネには馬鹿にされ、
しずかと出木杉が仲良くしている場面を見かけたことで
一気にやる気を失ってしまう。
気晴らしにうら山のいつもの場所を訪れるのび太だったが、
そこには一人の男が居た。
男の正体は45年後の未来ののび太。
ちょっとの間、子ども時代の自分と入れ替わってみたいと語る。
今の自分にそんなに良いことなどないと疑問を持ちつつも、
大人になってみればなにか良いことがあるかもと
入れ替わりに応じた現在ののび太。
45年後ののび太は子ども時代の日常を楽しみ味わうが、
現在ののび太は大人の体のまま、ふらりと
近所を流れる川沿いの道を遡り歩き始めた……


劇場版でもお馴染みの渡辺歩監督が絵コンテ(脚本兼任)、
宮下新平さんが演出、丸山宏一さんが作画監督という
最強布陣で臨んだ09年大みそかSPの目玉作品。

サブタイトルは要らないようにも思えますが、
前にアニメ化されたのが05年と比較的近いため、
両者の区別がしやすいように、なの、かも、しれません…

さておき、原作の中でも名作との声が多い「45年後…」。
最近では「名作」との評判だけが先歩きして、
読んでみたら意外と普通だった、などという意見もあるようですが、
それでも私は最も好きな話のひとつに考えています。

それだけに、大山ドラ通常回としては最終話となるタイミングで
満を持してアニメ化された前作に比べ、
それからわずか5年足らずで再アニメ化されたことに
疑問を感じていたのですが、
見終わった今となっては
それなりに意味のあるもののように思えてきました。

 ◇

まず考えたのが、
この45年後…が「ドラえもん」という作品全体で描かれる
のび太の成長物語の集大成的な話であるということです。
のび太は何をやってもダメな少年だけれども、
失敗し、落ち込みを繰り返す中で、
それでも少しでも良くなろうとすること、
まさに「何度もつまづくけれど、
そのたびに立ち直る強さを持っている」
ということは、各エピソードの端々に間接的に描かれています。

そんなエピソードの代表格が、
あの日あの時あのダルマ
さようならドラえもん
のび太もたまには考える」ではないかと思いますが、
実はこれらは全て09年にアニメ化されたものでした。
さらにアニメオリジナルで言えば、
のび太が心の底に抱えるコンプレックスや傷を垣間見ることができた
のび太の中ののび太」という異色作も放送されています。

もしかしたら全くの偶然で、結果オーライの
超好意的解釈なのかもしれませんが、
ごく個人的には、
そうしたのび太のつまづき・立ち直り系名作
多く制作された09年の締めくくりに
この「45年後…」が放送されたのは良かったような気がしました。
これらの話を既に視聴者が知っているからこそ、
ラストの「そのたびに立ち直る強さを持っている」に
納得がいくのだと思えます。

少なくとも「たまには考える」や「ダルマ」より先に
放送するのが適切な話ではないと思えます。
それくらいは配慮されていたと信じたいのですが……

あとは少しいやらしい見方ですが、
わりと良い方向にまとまってきてる「今のわさドラ」のうちに
この話をやってしまうのも一つの手なのかもな、ということ、
また、アニメ30周年のトリとして、
大山ドラ通常版最終話で放送されたこれをやるのも
受け継がれていくものを感じさせて良いなということも考えられました。


しかしながら、そうやって好意的解釈をすればするほど、
今年でこのアニメを終わらせられそうな感じにもなってしまうので、
このあとどーすんだという気もしてなりません。

そういう意味では、やはり5年目での投入は早すぎたのかも……
いや、きっと2010年のアニメドラえもんは
もう3回目?か4回目かの「パワーアップ」を遂げて、
ますます面白く進化していってくれるんですよ、たぶん。(わりと本気希望)


無理矢理きれいにまとめたところで、
もう少し具体的な点について。

珍しく大山版(05年)の録画が保存してあったので、
今回は見比べてみるということをしてみました。


・ちゃんとした大人になれるんだろうか
原作・大山版・わさドラ版問わず共通して描かれる
のび太が潜在的に持っている不安と問いについて。

大山版は
「ぼくはきみでよかった」と現在ののび太を肯定する言葉が
かけられているのに対して、
わさドラ版(というか渡辺歩版)では、それほど一筋縄ではいきません。

大山版では45年の人生を生きてきた「自分」から
端的に今の自分の歩みを認められることで
未来を信じることができ、前へ進んでいこうとする姿が描かれますが、
今回のアニメ化では
「きみ自身がこれから大人になって確かめるしかない」と、
明確な言葉は与えられません。

つまりは、わさドラ版では
自らの力でこの問いの答えを読み取っていくのび太というのが
意図された演出でしょうか。
そのあたりが、ひとり川を遡っていくという独自の場面にも
つながっていると感じられます。


・2秒でわかる、渡辺ドラだ!
もう、タイトルコールが終わった瞬間にわかります。
うなだれているのび太のリアルな前髪と、教室への日の射し方からして、
既に違う!
背景が緻密で、坂が出てきたり階段が出てきたり、
畑があったりお地蔵さんが出てくるのがそれっぽさ120%、
動作の一つ一つが自然な芝居であったり、
良くも悪くもオーバーリアクションなのも欠かせません。


・決められたことをきちんとできないようでは
ちゃんとした大人にはなれないぞ
(先生)
怒られる理由が成績ではないのは、
より、自分という人間の本質について、
将来に不安を抱かせるためでしょうか。
意図的に大山版とかぶらないようにしたのかもしれませんが。


・ぼくだけの秘密の場所
なんとなく「緑の巨人伝」でキー坊を見つけた場所に
似ていたような気がします。
気のせいでしょうが、ある程度意識はされていたのかもしれません。


・「そんなに素晴らしくないような気がするんだけど、
この、子ども時代は」

ある意味、のび太の心の奥底からしぼり出したような、
胸に詰まるセリフ。
この時点ではこれに対する言葉を語らせないのがまたニクい。


・ど、どどど、どーも!(ドラ)
先生と45年後のび太、現在のび太が揃って頭を下げているのに合わせて
つい一緒に頭を下げてしまうドラ。
可愛くて和みます。


・よし、とことん行ってみようじゃないか(のび)
「大人のこの姿ならどんなに遠くにだって行けそうだな」
と、ふらりと普段通ったことのない川沿いの道を歩み始めるのび太。
人生に重ねられた川の流れを遡りながら、
様々な発見や出会いをしていきます。

この描写で個人的に感じたのは、
大人の姿になっているといっても、
特別変わった事はしていないなということ。酒も飲まなかったし。
大人になるということは別の誰かに変わることじゃなくて、
今の自分の先にあるものだということを示していたのではないか
と、いう解釈もできるかもしれません。
たぶん相当な拡大解釈でしょうが……


・ドラえもんカラーのカワセミと、迷子の子の遊び相手
象徴的に配されているのは分かるのに、
私の貧弱な脳みそでは十分読み解けず。
他の方々の素晴らしい感想をご参照ください。


・「流れはまだまだ続いている、とても行き着けないや、
大人になるのと同じように今のぼくにはまだ早いのかもしれないな」

結局のところ、どこまでも遠くに行くことはせずに、
水面を眺めるのび太。
しかしそれでも満足気に語る姿からは、
確かに何かを感じ取ったのだろうということがうかがえます。
この場面もまた、「つまずいても立ち直る」という言葉に
つながっていくのかもしれません。

・迷いがあるたずね人ステッキ
未来と現在、二人ののび太がいるせいで、
あのような妙な挙動に。
これはちゃんとS・Fっぽくて上手いなあと唸るばかり。

・のび太の息子の結婚前夜から当日
大山版にあった、しずかへの「ありがとう!」は無かったですが、
「式の手配もみーんなノビスケたちがやってね、
自分の名前さえ間違えてたあの子がだよ!」のセリフがかなりぐっと来ました。
「自分の名前さえ間違える」のはむしろのび太本人のイメージなので、
同じ渡辺監督が手がけた「のび太の結婚前夜」をも思い出させます。
おそらくのび助と玉子が味わった感慨と同じものを
45年後ののび太も感じたということでしょうか。

・「もっとしかって!」「おかえりなさーい!」「ママの味だ!」
原作通りなのに絵が付いて声がついて動くことで威力倍増。
「小さくなった背中」というのは他の作品でも見るけれど、
「オヤジの背中、こんなに広かったんだな」は
子どもの視点に戻れるこの作品ならでは。
「のびちゃんの大好物のからあげ」はカエルとヘビ、じゃないよね。

・三日月に吹きかける白い息
息子が月へハネムーンへ行ったという45年後の未来に思いをはせる場面。
次代へ続いていく、自らに連なる命と未来を信じられるとかなんとか
ヘタな解釈もできなくはないですが、
そういうのはさて置いても、とにかく良い雰囲気!
こういう何気ない描写がさすがというところか。


・「パパったらのびちゃんが生まれた時に
『ごちそうさま』って言ったのよ」

未来だけでなく、
「過去から連なる現在」を差し込むのがひたすら見事。
これも「ぼくの生まれた日」を念頭に置いているのでしょうか。
渡辺監督だけが使える必殺技!?かもしれませんが、
最近のテレビわさドラの連続性を考えるに、もっと他の方の作品でも
この手法が取り入れられると嬉しく思います。

・きみとぼくの仲じゃないか!(ドラ)
原作でも45年後のび太とドラの距離感が
変わっていないのが好きだったので、
実に良かったなあと感じられた場面。
ドラはいつかのび太の元を離れていくけれど、
それは永遠の別離ではないし、
ましてや友情が変わるわけもないというのが
確かめられる場面でもありました。


・「そのたびに、何度も何度も起き上がるんだ」
原作と同じ「立ち直る」も使われていますが、
今回は「起き上がる」の方が印象的か。
「何度も起き上がる」と言えばダルマさん…

この45年後のび太の語りはかなり長くなっていましたが、
前述のような「あのダルマ」「たまには考える」、
あるいは「りっぱなパパになるぞ!」などが思い出される
深みのあるセリフの数々でした。


・少し、のぞみがわいてきた
これも原作通りなのですが、「やるぞ!」とか
「がんばるぞ!」と大きく出ないところが実に良いです。
「少し」と、決定的な安心や確信ではないがゆえに、
まだまだ迷ったり、つまづくだろうということ、
それでも起き上がるのだろうということが感じられます。

「野比のび太」と名前を書く描写がまた、
さきほどの「自分の名前さえ間違えてたあの子が」とか、
あるいは「すこやかにどこまでも〜」といういわれを思い出させます。
恒例の「のび犬」ギャグがこんなところで生きるとは(←たぶん嘘


 ◇
 
全体的に良かった点を中心に述べてきましたが、
正直なところ、いろんな要素を詰め込みすぎて
ごちゃごちゃしているんじゃないかとか、
やはり間延びもしているような印象を受けます。

いろいろ解釈ができる描写が多いということは
魅力でもありますが、
行き過ぎると話が分かりにくくなる危険性もあるでしょうか。
(それが悪く出たのが「巨人伝」かも…)

とは言え、今回の「45年後…」は
09年の締めくくりに相応しい完成度だったように思えます。


 ◇

次回は1月8日「長い長いお正月」。
楽しいお正月が終わってしまう寂しさ……
大人になった今でも良く分かります!(主に正月休み的意味で)

間延びしたセリフに対し、
マンガでの「ここから先は普通の言葉で」が
アニメではどう扱われるかに注目!?


 ◇


近頃更新が遅くなりがちではありますが、
今年もアニメドラを楽しみつつ、
その面白さを少しでも伝えられるような
感想が書けると良いなと考えています。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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コメント(4件)

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あけましておめでとうございます、春巻きさん。

『45年後…〜未来のぼくがやって来た〜』…ママのからあげ(カエルとヘビではないことを祈ります(笑))を食べて泣いてしまうのび太のシーンで、私も泣いてしまいました。ここ数年感じている事なのですが、両親が老けたなと思うようになりました。どんどん年をとっていき老いていき…少しずつ死へと一歩一歩近づいていく両親と重なったのかもしれません。

タイトルはど忘れしてしまったのですが、のび太のパパが酔って帰ってきておばあちゃんに叱ってもらおうとしたら、わんわん泣いて話を聞いてもらう話で、ドラえもんが「大人は悲しいね。自分より大きいものがないんだもの」という感じの台詞が昔は意味がよく分からなかったのですが、今はその意味がそれとなく分かってしまい、寂しさを感じてしまったりします。

時たま語られる人生だとか死とか…そういうのも含めてドラえもんの集大成のようなこのエピソード。昨年二十歳になった私にとっては、節目の年にこのエピソードを見れてちょうどよかったかなと思っています。

またまたいつものように長くなってしまいました…。
こんな私ですが、今年もどうぞよろしくお願いします。
那汲蜩
2010/01/03 00:03
あけましておめでとうございます。

「45年後…」良かったですね。
食事の場面での45年後ののび太の様子や言葉は本当にリアルで、またママがごはんつぶを取って食べてくれるあたりが、さらに目頭を熱くさせました。
パパについても背中を流す場面を加えるあたり本当に巧いなと感じさせます。
「カエルとヘビ」は半分冗談ですが、この場面でからあげを持ってきたのは、あの映画で好物だという表現があったからだったらいいなと考えました。

「自分より大きなものがいないもの」は調べたところ「パパもあまえんぼ」でした。
「45年後…」はこの話ともつながっていたのだということには、今回初めて気づきました。ありがとうございます。

本年もマイペースに記事を書いていけたらと考えておりますので、またよろしくお願い申し上げます。
春巻き
2010/01/03 00:38
牛若丸の二人が食べていたのが好きです
くくくくく
2010/01/29 16:37
こんにちは。
元祖ドラ焼きのことでよろしいですか?
あの場面は良い雰囲気でしたね。
放送後しばらくどら焼きが食べたくなって困りました。
春巻き
2010/01/30 14:35

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