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zoom RSS のび助さんたらドラやき食べた (きこりの泉・カラー版について)

<<   作成日時 : 2010/08/22 08:26   >>

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唐突に、ドラえもんの中でも名作かつ迷作と名高い
「きこりの泉」について、カラー版を中心に語ってみたいと思います。
「きれいなジャイアン」で有名なあの話ですね。


「きこりの泉」の初出は
1984(昭和59)年の「小学一年生」12月号。

1986(昭和61)年発売の
てんとう虫コミックス36巻に収録されていますが、
もともとはフルカラーの原稿でした。

私が所持している1990年の「小学一年生」12月号にも
再録されており、
そのせいか、私にとってこの作品は
カラーのイメージが強いものになっています。


原画には背景色は無いようです



「ドラえもん」と言えば青いタイトルロゴの印象ですが、
この「小一」でのロゴは赤。

このへんは、1994年文藝春秋増刊での
よしもとばななさんとF先生の対談にある (「Fの森の歩き方」に再録あり)
「扉に黄色、タイトル文字に赤を使うことが多い、
 それでドラえもんが青くなっちゃった」
という設定事情になるほどなと実感がわきます。

「ドラえもんめいさくげきじょう」と銘打ってあるのは、
1990年当時の「小一」がほとんど再録だったから……
さらに、作者クレジットは「藤子・F・不二雄」になっています。
そのような意味では初出時とは異なっているはずですが、
これはこれで当時を表すものではないかと。

タイトルが「『木こり』の『いずみ』」になっているのは、
「泉」は小一で学習しないけど、「木」は習うから、
ということなのでしょうか……?
そのあたりも興味深い点です。


 ◇

「きこりの泉」のカラー版は
「ぼく、ドラえもん」創刊号にも再録されているので、
そちらは比較的参照しやすい状態にあるのではないかと思います。
「ぼくドラ」の方では扉のカラーやロゴが無く、
また、原稿の発色状態も若干異なっていますが、
その美しさは十分堪能できます。

てんコミではつぶれてしまっている
「ピカピカグローブ」と「ボロボログローブ」の塗りわけの細かさや、
ドラやきの質感、女神さまの麗しいお顔も忠実に再現!


が、学年誌と大きく異なるのはセリフの表記。
「小一」では文字色が青色で、
ひらがな中心の大きな文字を配することで、
読みやすく、わかりやすくなるよう配慮されているようです。


「のび太くん〜」じゃなくて呼び捨てなのが重要
2004年「藤子・F・不二雄ワンダーランド ぼく、ドラえもん」第1号 p.21

↑こちらは「ぼくドラ」およびてんコミに準じた表記。
「ドラえも〜ん。」「のび太〜。」と、
ドラのびの叫びが「〜」記号で表現されています。


句読点が打たれるのは対象年齢問わず、小学館のお約束
1990年「小学一年生」 p.128

↑こちらが「小一」版。
「ドラえもおん。」「のび太ああ。」と、
長音が記号ではなく文字を重ねる形で表現されているのが特徴。

単純に好みの問題だとは思いますが、
個人的には小一版のほうが幼い感じで良いです。
のび太に泣きついちゃうドラ可愛いよね。


その可愛さをさらに増していくのが次のコマ。

欄外の文字は「一年生のべんきょうがこれでバッチリ★」 別冊付録の予告です
1990年「小学一年生」 p.129

「ドラやき」が「どらやき」になっているのは、
前者がこのマンガ固有の表現であるから…でしょうか。
まずは正確な言葉で表現しようという
低学年向けの意図的な編集方針と思われます。

「ぼくのどらやきたべたあ。」というのが
本当に頭をなでたくなるような可愛さです。


ではてんコミや「ぼくドラ」ではどうなっているかと言うと……

のび助が「N」マークの服を着ているところにも注目"
2004年「藤子・F・不二雄ワンダーランド ぼく、ドラえもん」第1号 p.22

「ドラやき」以外は同じでした。

つまり、ここは「食べた〜。」ではなく、
「たべたあ。」が適切と判断されたわけですね!!
なんと可愛らしい!


…実際のところは、
元の原稿がてんコミの表記になっていて、
「小一」の編集者が平易な表記に改めた可能性の方が
高いのかもしれませんが、
「たべたあ。」に関しては一致していることは確かでしょうか。

そういった部分も含めて、
「小一」掲載作は雰囲気がやわらかく、
キャラクターが可愛らしいという特徴があるかもしれません。


おこづかいで買ったものではないらしい
1990年「小学一年生」 p.129

涙をぬぐう仕草に加え、
「このどらやきがいいんだもん。」という
幼さを感じさせるようなセリフがなんとも言えません。

「大長編」や「小六」では、やはり「〜だもん。」という言い回しは
なかなか出てこないようにも思えます。

このような部分も含め、「きこりの泉」という作品の持つ味わいは、
「小学一年生」掲載作ならでは、ということでしょうか。


 ◇

以下、題にある「きこりの泉」が登場し、
ドラ、のび、しずと楽しく夢をかなえる描写が続いた後で
ジャイアンによる笑撃のオチが展開されるのはご存知のとおり。

最初に述べたように、名作であるのは紛れも無いのですが、
こうして学年誌掲載時のカラー版を読んでみる事で、
その彩色の美しさ、引き立つ絵柄はもちろんのこと、
低学年向けに練られた物語の味わいや、
セリフなどの配慮も感じることができます。

完全収録のF全集や、定番のてんコミも良いけど、
「カラー作品集」等も魅力たっぷりだよね!ということで。

雑誌掲載時の扉や書体も貴重な資料だと思いますので、
これからも所持している学年誌を大切にしていきたいです。


 ◇



……と、綺麗にまとめたところですが、
折角なので「きこりの泉」の内容に関してもツッコミを。

考察でも紹介でもなんでもなくて、
単なる思い付きなので箇条書きにて書き逃げ失礼します。

・ドラやき食べちゃうのび助(パパ)、最強すぎるよね!

・ていうか普通に考えて野比家に存在するドラやきの90%は
 ドラのものだと思うんだけど、
 そこで何も疑わずに食べてみるのがのび助クオリティ

・のび助の出番これだけ! まさにドラを泣かすためだけの登場!?

・「このドラやきがいいんだもん。」と言いながら、
 女神にもらった大きなドラやきを喜んでかじり付くドラえもんの謎
 言われてみればそうだ! (Gさんに教えて頂きました)

・昔から思ってたんだけど、この木こりの絵、
 自分から泉に落としたように見える……?

・「もっとぼろっちいの。」
 こののび太の言い回しなんか好き。丁寧じゃないのが良い!

・そして極め付けが「もっときたないの。
 シンプルな中にも爆発するような笑いをこめる
 F先生の技法がここに結集!!

・「きれいなジャイアンをあげましょう。」と
 涼しく平然と言っちゃう女神さまが、またねえ……
 いや、あげましょう、ってオイ。
 と、ツッコむキャラもいるはずもなく、
 のびドラが純粋に悩んでいるのが輪をかけておかしい。



普段、こういったしょうもない藤子ネタを
脳内で繰り広げている日々、ということで。
半ば無理やりですが、とりあえず結びといたします。

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