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zoom RSS 映画「ドラえもん のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー〜」感想

<<   作成日時 : 2012/04/16 01:58   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 15 / トラックバック 0 / コメント 9

遅くなりましたが、恒例のドラ映画感想を。
言葉がきつくなってしまった部分もありますので、
ご了承ください。
さて、今年の感想を一言でまとめると……


「駄目」じゃない、でも「惜しい」。


に、なるでしょうか。


どちらかと言うと不評が目立つようですし、
私自身気になる箇所も多数あったのですが、
一から十まで酷いと言うほどでもないし、
それなりに楽しかった、面白かったという気持ちではいます。

とはいえ、後ほどかなり厳しい感想を述べているのですが……
それでも全体で見ればそこまで決定的に駄目でもないかな、と。
ただ、ひたすら惜しくはあります。


以下、映画のネタバレが含まれますのでご注意ください。



まずは良かった点を。

・音楽
今年も沢田完さんの楽曲は素晴らしかったです。
ダッケがサーベルタイガーにつかまって飛び出す場面の
勇ましい曲や、
「奇跡の島」のテーマ曲と思しき
神秘的なイメージの漂う楽曲が印象に残っています。
「サウンドトラックヒストリー3」は何年後かなあ。

・挿入歌
堀江美都子さんの「キミのひかり」は、
歌声もさることながら、さらに歌詞が沁みる名曲でした……!
ただ、使い方や使われる場面については、
「いかにも」感が強すぎて、良さを打ち消している気もします。
その他、EDでは合唱曲も挿入歌としてクレジットされていました。

・主題歌
福山雅治さんの「生きてる生きてく」は
テレビ版でもEDとして流されていました。
これがまた例年の主題歌に勝るとも劣らない素晴らしい曲で、
テレビサイズで聴いているだけでも好きになり、
映画でフルバージョンを聴いて「うおおお!」と感動を覚えました。
明るい曲調で、わかりやすい言葉だけれど、
大切なことが詰まっていて……
この「ドラえもん」という作品のテーマの凝縮でもあるなと、
テレビ版の「のび太の息子が家出した」を観て改めて感じます。

しかし、「主題歌の方が映画の(が描くはずだった)テーマを
的確に表している」という現象はいったい何回目なんだろう……


・現代のパパを眺める目線
パパがのび太の視点で見上げるように、
少し下からのアングルで描かれていたのが印象的です。
大人と子ども、親子ということで、
ダッケと並んで居る場面との対比にもなってました。


・「ダブルのび太」演出
ダッケの照れ方や、床が無いことに気づいてから落ちる様子が
血は争えないなあという感じで微笑ましかったです。
ただ、こうした類似描写はもっと多くても良かったかもしれません。


・その一方でのび太と違うことも描く
コロンとのび太のカブトムシ交換のくだりで、
のび太には「なんだ!小さい子に向かって!」と言い、
コロンには目線を合わせて「どうしたんだ……?」と問いかける、
そんなダッケの振る舞いは
やはり弟や妹を持つゆえなのかなとも思えました。
絵が上手い設定はその正体に直結する要素でもありますね。

叫びかけたところで動物の接近に気づき、
自らの口を塞いでいた冷静さ?などは、
そっくりな容貌の一方でふたりの性質の違いを感じた部分でした。
野沢雅子さんがのび太とは違う系統の演技を求められたというのも
納得がいきます。

ただ、そうしたふたりの類似と相違の描写が
「ダッケの正体の示唆」以外の
ストーリー展開にも生きてくれれば良かったと思うのですが。
(ぼくが守る!に至るまでの交流など)


・悪役の小物感と相応しい末路
このへんは賛否あるでしょうが、
シャーマンの目的が金儲けで、
いかにも小物な感じが良かったんじゃないかなと思います。
ロッコロ族を脅してどうにかなると考えていたり、
目立つ遺跡に堂々と陣取って
ゴールデンヘラクレスを「連れてこい」と
無茶かつ攻めて来いと言わんばかりの方法をとったり、
せっかくゴールデンヘラクレスを捕まえたのに
とっとと撤退せずに子どもと遊んでいたりしても、
そういう三流悪役だからということで、
あまり違和感無く受け止められました。
(コミック版では「船の修理時間を稼ぐ」というセリフあり)

若干皮肉めいてしまいましたが、
実際問題、「全宇宙支配」とでっかく出たわりに
その手段もなく、明らかなやられ役になってしまった
残念な前例(人魚…)がありますので、
その点でははじめから大風呂敷を広げずに、
相応なところに収まっていて良かったと思えます。

最後にシャーマンがビッグタルキア(メカ)ごと
崖から落ちた時の爆発がめちゃくちゃ派手で、
しかも複数角度からじっくり描くという
その作画の気合の入りようには思わず笑ってしまいました。
フツー、死んでるだろという程の爆発だったのですが、
ズボンの尻が破けて全身煤けてコゲているだけという
ギャグオチも彼なら許せてしまいます。

悪役の小物感が物語に幼稚さを出してしまった部分も
あるかもしれませんが、
「悪役! 小物! お馬鹿、そして相応しい末路!」
と実にわかりやすく、すがすがしい終わり方であったことは、
素直に評価できる気がします。
変にモヤモヤせず、スカッとやられてくれたおかげで、
「これで物語を終えられる」という感覚が得られました。
これは(ドラ)映画にとって意外と大切なんじゃないかと……

白黒つけられる話ばかりじゃないのは重々承知していますが。
でも「何が起こったか良くわかんないけどハッピーエンド?」
よりは良いのかなと、個人的には感じました。


・のび太とダッケが物語の中心だった
その「のび太」というキャラクターの描き方には、
大いに首をひねるところもあるのですが、
ともあれ、のび太、そしてダッケが
物語の中心に居たこと自体は良かったと感じます。

過去作と比べてマシ、という言い方はしたくないのですが、
やっぱりゲストキャラが過度に話を持っていって、
のび太たちが空気になってしまうのは寂しいと思います。
「親子の再会」なども良いのですが、
他人であるのび太やドラが置いていかれる部分もあるでしょうか。

その「親子」が今回のび太たちになってしまったのは、
皮肉にも感じられますが、
一応、彼らを中心とした話ということで要素がまとめられ、
ストーリーの主軸として
流れもわかりやすくなっていたかと思えます。

だからこそ、のび太は中心に「居るだけ」ではなくて、
自ら動いていろいろ感じ取って
最後のダッケとの別れに至ってほしかったとの想いが強いのですが。
また後述しますが、
この焦点の当て方は良かったと同時に惜しかった点でもあります。


 ◇

ここからは気になった点について。
特に辛口となりますが、好きだからこそ残念に感じたためで、
ご容赦頂ければ幸いです。


・お話の都合のためにしゃべって動くキャラ
既に多くの方が述べられていることと重なりますが、
これが鑑賞していて最も気になった点でした。

例えば出木杉、
冒頭、「カブ太に勝ち目は無い」とドライに言い切っていますが、
今回は「そういう人物」として描くならそれはそれかもしれません。
しかし、その直後に調子にのるジャイスネに対し、
「もうやめないか!」と憤る姿が描かれたことで、
「どっちかにしろよ! キミさっき一緒に笑ってただろ!?」
と釈然としないものを感じてしまいました。
これではその場の状況に応じて態度をコロコロ変える
カッコつけだけの人物になってしまいます。

拷問に耐え、のび太たちを信じる言葉を叫ぶスネ夫や、
弱気に人を頼り続け、生き物と心を通わそうとしないのび太など、
原作とキャラが違う、
普段のテレビシリーズで積み上げたものを流してしまっているのも
観ていてかなり辛かったのですが、
出木杉のようにひとつの映画の中でさえキャラが一貫していないのは
さすがにどうなんだろう、と考えました。


もっと言えば、キャラが変わっているという以前に、
「なぜここでこの言葉を語るのか? この行動をとるのか?」
というプロセスがほとんどと言っていいほど感じられなかったことが、
大きな問題のように思えます。
「はじまったぞ」「ためになるから」とドラミ含めた野比一家で
絶滅動物を扱うテレビ番組を観るのは、
「そうしないと物語がはじまらないから」。

「ここ(胸)があったかくなる…」と、唐突に
自分の親について語りはじめるのは、
「それがこの映画のテーマだから」。

「のび太はぼくが守る!」とダッケが宣言するのは、
本人は知る由も無いはずの未来だけど、
「ダッケ=のび助がのび太の父親だから」。

何かが「違う!」と頭を抱えたい場面の連続でした。
例え二次元でも架空の世界でも、
彼らはその世界の中で生きているはずなのです。
その言葉を口にするためには、その行動をとるためには、
そのための心の動き、それまでに経験してきたことが
確かにあるはずなのです。
特にのび太とダッケが物語の中心になればこそ、
彼らの交流を描いてほしかったと思います。
そうした出来事を経た上で、クライマックスのあの回想につながる、
真相を知ったときの
のび太の言葉につながるべきじゃないかなあと考えました。


・「すこし・ふしぎ」じゃなくて「ファンタジー」している
「奇跡の島」の奇跡

「人魚」の時に述べたことと全く同じなのですが……
「宇宙パワー」って何?
あらゆる生き物の生命エネルギーを高める黄金のカブトムシって
結局何者?
と、科学的根拠やつながりを放置して、
「とりあえずそういうものがあります」にされてしまった
各種設定がいささか強引だったように思えます。

いや、正体が明らかになるのが良いというわけではないのですが、
「もしかしたらそんな奇跡の島、奇跡の生物も存在するかもしれない」
と、そう感じさせるだけの説得力、リアリティのようなものも
もう少し欲しかった気がします。
架空なりに、日常のすぐ隣、紙一重の部分で存在していそうな
地続き感、それこそがいわゆるF作品の「すこし・ふしぎ」と
「ファンタジー」の境目のように感じているのですが。


・「ファンタジー」と科学未来観との不整合
じゃあ「そういう島がとにかくあるんですね」と
仮にファンタジーを受け入れてみても、
中途半端に22世紀の科学未来世界観が流入しているのが
困りものでした。

この島の特性に目を付けた科学者たちが、
各時代から絶滅生物を連れてきて保護したと説明されていましたが、
その要となるゴールデンヘラクレスの存在は未だ確認されずとのこと。
言葉がきついですが、
「オイオイ! 科学者ともあろうものが
そんな不確かなものをあてにして絶滅生物なんか棲まわせるなよ!」
とツッコミを入れずにはいられません。
そもそも時代も生息環境も異なる生物たちが
同じ島に暮らすのは無理があると思うのですが……

その「無理」で、あり得なさを実現させているモノこそが、
ゴールデンヘラクレスで、
絶滅生物たちは科学者たちが連れてきたんじゃなくて、
もとからこの島に暮らしていたのを発見された、
だからこそここは「奇跡の島」だ、
という逆の経緯の方がまだしっくり来る気がします。
それなら、ゴールデンヘラクレスが囚われた時、
(元々は他の時代で暮らしていたはずの)動物たちが
全て力を失ってしまったというのも納得がいくのですが。

そんな不整合を見るに、
いっそファンタジーに徹してくれていた方が、
中途半端に22世紀の科学設定を流入させるより
良かったかもと感じました。

あるいは、
「モアよドードーよ、永遠に」が原案となっているだけに、
竜の騎士の「聖域」のように、この島は実はのび太たちが……
という展開も考えていたのですがそれもなし。

そのへんは個人的妄想だったのでどうでも良いのですが、
元々は「奇跡の島」とゴールデンヘラクレス周りの設定も、
整合性含めていろいろ用意されていたのが
削られてしまったのかなーとも感じます。

オープニングでも映し出される、あの島に続く異空間について、
のび太が「はじめて見た」と言っているのも意味深ですし。
そうした削り残った断片や痕跡が見え隠れしているのが
なおさらモヤモヤさせられました。


・ダッケというキャラの存在意義
のび太と冒険を共にするゲストキャラクターが
父親であるのび助である!
これはかなり衝撃的なことです。
もしかしたら反則ワザとも言えるかもしれません。
しかしそんな挑戦をしてまでのび助=ダッケを投入するのだから、
それ相応にのび太や物語と関わってほしかったところ。
最後にのび太が彼の正体を知ること、
それがクライマックスになると
(作り手も観客も)わかっているからこそ、
そこに至るまでにいろんなものを積み重ねて欲しかったのです。

親子の絆が主題ではありますが、
「ダッケ」にとって、のび太はまだ息子ではなく、
のび太もそのことを知りません。
そこで得られるものは、
「他人とは思えない」不思議な感覚の友情であり、
他のゲストキャラとでは決して築けないであろう
これまでとは一線を画した関係です。
しかし、その交流の特異さが十分に描けていたかと言うと、
首をひねってしまうものでした。

本来なら決して埋まりえない時間の隔たりを埋め、
親子ではなく同年代の友達として共に過ごすことで、
のび太が感じるもの、発見するものは何か。
そんな二人の「すこしふしぎ」な交流を観てきた
観客の胸によぎるものは何か、
それらが「キミのひかり」や「生きてる生きてく」の歌声と共に
沁みわたる映画に……できたはずだ、と惜しまずにはいられません。

むぎわら先生のコミック版は
わりとそんな感じに仕上がっていただけに、
どうして映画は、ということをつい考えてしまいます。



・この映画のテーマは本当に「親子の絆」なのか?
親子や家族、身の回りの人との絆、関係性が
作品のテーマであることは、楠葉監督が
「ドラえ本F」や「日経エンタテイメント!」2012年4月号の
インタビューで語っているとおりであるかと思います。

しかし、それを絶滅動物が暮らす島を舞台に描くのはなぜか?
ということに関しては、
私の読解力不足もあるでしょうが、いまいち釈然としませんでした。
前述の日経エンタのインタビューでは監督は
「人間だって動物ですから、絶滅する危機は他人ごとではない」
「奇跡の島は、のび太たちが"生命への敬意"を自然に学ぶ場所」
と語られていましたが、苦しいような気も……

「絶滅動物が暮らす奇跡の島と黄金のカブトムシ」
という要素は「いったいどんな秘密があるんだろう?」と
ワクワクさせる素材であり、
それだけで映画の核になり得るだけに、
単なる背景のようになってしまったのは残念です。
その分、親子の絆についてが掘り下げられているかと言うと、
そうでもなく、それぞれの要素が両立できず
打ち消しあっているようにも感じられました。

のび太の物語として観た場合も、
「いつも人に頼ってばかりいる」と冒頭でパパに叱られたことが、
その後クローズアップされていくでもなく、
どちらかと言うと情けない側面が目立ち、
宙に浮いたままになってしまったという思いもします。

カブ太についてもまた然り。
ラストバトルの担い手でありながら、
のび太が託すだけの関係性が築けていない、
作中はドラに預けっぱなしで、
コロンにまで(結果的に)見捨てられるというのは
あまりにも話の都合に良すぎる存在として扱われていて
気の毒になってきます。
ゴールデンヘラクレスと同調できたのはなぜか、
そもそもゴールデンヘラクレスが力を貸してくれたのはなぜか、
それって気まぐれ?的な、
身もフタもない見方もせざるを得ないのです。

そんな、物語の重要なテーマになれそうな要素が、
三つも四つも生煮えで置いておかれたままなのが、
やはり惜しくてなりません。


個人的な話ではありますが、
最初に「生きてる生きてく」を聴いた時は、
「絶滅動物は100年1000年先に遺伝子を残せなかった存在……?
いや、『そうじゃない』ってことが描かれる映画になるんだ!」
「この地球が出来てから生まれては消えてきた数多くの生命、
そんな「歴史のブロック」の上に、
私たちは生きてる生きてく、次の世代に続いていく、と、
きっとそんな話になるに違いない!」
と(勝手に盛り上がって)妄想していたので、
「次世代へ続いていく生命(親子の絆)」と
「絶滅動物の暮らす島」の二つの要素が
ほとんどかみ合っていなかったことが、
この映画で一番がっかりしたことかもしれません。


・原作ゼリフの過剰で不自然な引用
「親だって人間だもんな」
「何が起こるにしてもず〜っといっしょだよ」等の
原作そのまますぎるセリフの数々。
すみません、ファンサービスにもなってませんでした……
せめて、キャラクターの自然な気持ちから出たような言葉であれば、
もうちょっとは各場面の唐突さ、不自然さが拭えたかもしれません。
大切にしたいテーマならばこそ、
原作セリフのつぎはぎなんかじゃなくって、
この映画でしか描けないものにしてほしかったです。


 ◇

全体的に気になった点の記述が長くなりましたが、
その他具体的な場面についての感想は以下の通り。
良かった部分も微妙だった部分もあります。

・「開けてくれてありがとう〜」
三流悪役が律儀に人質を確認しに行くことを茶化していて
なかなか面白かった場面。
お約束の「あたたかい目」史上、最も怖えええドラ!

・最終決戦で「二、三ミリやせたみたい…」
他の原作トレスゼリフは白け気味でしたが、
これはある種のギャグとして決まっていた気もします。
ピンポイントで笑わせるネタとして使うなら良かったんですが。

・東京タワーとスカイツリー
新しいものと古いもの、受け継がれていくものの象徴として
印象に残る背景。

・ゴンスケ魂
ゴンスケが映画に登場する!
しかも演じるは龍田直樹さん!
ということは非常に嬉しく、テンションが上がるものでした。
が、しかしゴンスケをゴンスケたらしめるもの、
迷惑や頑固だったりするかもしれないけれど、
わが道を行き、何かにこだわり抜く生き様、
ある種の職人気質こそがゴンスケの証である! 
ゴンスケ魂である!と思うのですが、
今回の映画のゴンスケにはそれが感じられなかった気がして残念。
「21エモン」はもちろん「天の川鉄道」や「銀河グランプリ」で
ゴンスケに惚れ込んでいた身としては辛いものがありました。

・関根ベーカリーといつものクラスメイト
まちの風景で「関根ベーカリー」の看板が映っていましたが、
テレビ版ののび太のまちにも良く出てきた店だったと思います。
安雄にはる夫、委員長に地味子さん等々、
クラスメイトの皆さんも映画デザインで登場したのは嬉しい限り。
しかし、そうしてテレビ版と同じ設定が使われているからこそ、
のび太やみんなの性格が変わっているのが惜しかったです。

・金魚鉢とザンダクロスポスターとモッコロシール
のび太の部屋のカラーボックスのモッコロくんシールや、
アニメ版モジャ公の宇宙船シールは今回も健在でニヤリ。
部屋のポスターやおもちゃ箱にザンダクロスが居るあたりは、
「昨年の映画を思い出させる遊び心」というやつでしょうか。
(個人的には「過去のもの」「二次元の出来事」になった感じがして
少し寂しかったですが)

ただ、「新鉄人兵団」の壮絶な物語の一部始終を
「見ていた」はずの象徴アイテム「金魚鉢」が、
「のび太が人に任せきりで世話をしない」という
説明のための道具にされてしまったのは残念です。
植木鉢のように「置いてある」だけで十分だったのになあ。


・のび助は「絵が上手い」という設定
これは子どもの頃、確かにあの島に行ったということを
絵として示す以外にも、もう少し生かして欲しかったです。
ゴールデンヘラクレスの壁画も「絵」ということで、
何かあるのではと期待したのですが。

空気クレヨンについても、ただ絵を描くのではなく、
「どこにでも立体的に描ける」、「風で流れる」という特性が
何かに使えたんじゃないかなあと残念に思ったのですが、
コミック版ではその後の展開が用意されていて納得しました。
どちらが良かったかは好みかもしれませんが、
「のび太の父親」としてだけでない、
ダッケ=のび助を
生きた人物として描く要素にもなり得たかもしれません。


・オープニング・エンディング
OPの回転木馬は一緒に季節も廻っていくのが味わい深いものでした。
時には「お休み」の日もあって……そしてまた春が来るという演出が、
前作「新鉄人」公開からの一年間に重なって胸に響きます。
エンディングは賑やかで楽しい日常を映し出すアルバム風。
本編でも使われた「みんなでラーメン」や「縁側で花火」の
イラストが特にたまりません。
主題歌との相乗も素敵でした。


 ◇


・まとめ
楠葉監督の前作「人魚大海戦」と比べると
「今、画面で何が起こっているのか」は
同様に非常にわかりやすく、
悪役が小物に徹したこと、ゲストキャラの映画になってない点などは、
大幅に改善されていたように思えます。
ただ、「お話の都合のためにしゃべって動くキャラ」
「伏線のための伏線」という部分は
前回以上に目に余ってしまった印象があります。

あとは最初に述べたようにひたすら
「惜しい」点が目立つこと。

ダッケという歴代でも異例のキャラクターを投入したことによる、
すこしふしぎな「親子」の交流、
絶滅したはずの生物と、
神秘的な力を持つ黄金のカブトムシが暮らす「奇跡の島」、
パパとの約束とカブ太への投影、
島での出来事を通じてののび太の心の動き、
そうした丁寧に描いて深めていけそうな要素がことごとく、
不完全燃焼のように感じられてしまったことは惜しくてなりません。

ただ、かなり辛めの記述になってしまいましたが、
これらは「駄目」だったのではありません。
もっと出来たんじゃないかという可能性に対する惜しさなのです。

確かに気になる部分は多かったですが……
それでも「全てが悪い」というほどではないでしょうし、
テンポや動きは良く、難解さは無く、
真相を知って見送るさわやかなエンディング。
それらが鑑賞後にもたらすのは、
やはり「面白かった」になるだろうとも感じています。
何より、こうして今年も新しいドラえもん映画が観れたことは
とても嬉しく思います。

昨年の「新鉄人兵団」や普段のテレビシリーズを見るに、
この作品の底力はあると信じておりますし、
私はやはり「ドラえもん」が好きだなあと感じます。


と、いうことで来年の映画も、
少し怖く、でも大いに期待して楽しみにしたいと思います!


長くなりましたが、ここまでご覧頂きありがとうございました。

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内 容 ニックネーム/日時
雑というか、ほったらかしな点はいろいろありますが、のび太とダッケの話としては、まぁよくできてるかなと。

個人的には75点、BD版が出たら買おうかな。
とら
2012/04/30 00:16
とらさんこんにちは。
今回の映画は「ほったらかしな点があるものの、のび太とダッケの話としては良くできているかも」という感じ、非常に納得です。
私も、もうちょっといろいろすくい上げて欲しかった部分もあるのですが、のび太とダッケが中心にいたのは良かったかなと考えています。
新鉄人兵団に続いてBD版が発売されると良いですね。
春巻き
2012/04/30 11:16
まさか興収が新シリーズ過去最高を記録し、興収発表のドラ映画最高のヒットを記録するとは思いませんでした。まあ、例年どおり30億ぐらいはいくのかなと思いましたが、あまりの出来事に驚きました。映画CMはみる限りでは個人的にあまり伝わらなかったので。あと確かに過去最高は記録したけど、観客動員数が340万人ぐらいなのにおまけが在庫切れで公式ホームページで謝罪してたけどたった340万人で在庫切れを出していたら400万人来てたときどーしていたのだろ?30年前とは違って現代では物流体制がここまで完備されているのに。その辺どうにかしてほしかったです。
ハナ
2012/05/06 15:10
今年こそコナンに勝ってほしいと思っていましたが(3年連続負けているので)なんでも、コナンも現在過去最高。なんとか、ドラに勝ってほしいです。
ハナ
2012/05/06 15:13
ハナさんこんばんは。
入場者プレゼント「とことこ!ドードードラ」の一部在庫切れについては、もしかしたらバリエーションが過去最高の100種類ということも関係あったかもしれませんね。ともあれ楽しみにしていた子どもたちの手に無事渡ってほしいなと願います。
「奇跡の島」の興行成績はかなり良かったみたいで、驚きましたが素直に嬉しくもあります。コナンや他の映画と比べてということも含め、やっぱり数字がモノを言う部分もあると思いますので、今後の展開にプラスに作用すれば良いなあと考えます。
春巻き
2012/05/06 22:30
こんにちは
奇跡の島がこんなに興収がいいと逆に鉄人兵団が残念です。地震の影響があったにしても後半の伸びが6億と2億であとも伸びなかった。(奇跡の島は8億と6億かな)コナンの初動が5.5億でクレしんも例年並みだから地震の影響がほとんどないのに鉄人兵団を見ていない人たちはほとんど動いていないところをみると鉄人兵団は今の子供たちには受けないんですかね?残念です。せめて、コナンが4.5億でドラが1億の週末の動きならよかってのですが。
ハナ
2012/05/11 00:19
ハナさんこんにちは。
再度コメントありがとうございます。
新鉄人兵団のときは劇場そのものも損傷を受けて、上映が困難になってしまったところもあるようで、いろいろと残念な部分もありましたね。
ただ、だいぶ後になっても被災地で上映するイベントもありましたし、テレビ放映の反響も上々だったようなので、興行収入だけでは語れないこともあるかもしれません。
ともあれ、新鉄人兵団も奇跡の島も、今後DVDやBDで長く多くの方に観てもらえたら嬉しいなと思います。
来年も盛り上がると良いですね。
春巻き
2012/05/11 06:06
管理人様の感想、拝読させていただきました。
その上で、管理人様のレポートについて、私なりの感想を一言。
「シナリオについての不備に見える様々な点、確かに多くあるのかもしれません。しかし、そこに着目し得る視野、それこそが、あなたが大人になったという事なんですよ」
というものでした。
この物語は、のび太と等身大の子供達に向けて発信されています。ヘラクレスについてのファンタジーな設定なども、今までのどのドラえもん大長編ものにつきものだったと思うのです。
けれどもそんなこと、子供たちは意に介さないのでは?
失礼いたしました。
浜かもめ
2012/12/10 23:33
遅くなりましたが、ご覧頂きありがとうございます。
確かに子どもが楽しんでくれるかが一番大切ですね。「ドラえ本F」のインタビュー記事で、楠葉監督はあまり戦う内容を好まない子どももいるという状況を踏まえて製作された旨を語られていました。あまり大人(特にドラえもんオタクとして)の視点に凝り固まらないように気を付けたいと改めて考えました。
ただ、「親だって人間だもんな」等々、(今回の映画とは関係ない話の)原作マンガのセリフそのまま、かつ過剰な引用は、個人的には大人のファンを意識してつくられたものであったように思えてなりません……
「子ども」「大人」とひとくくりにしてしまうのは難しいですが、昔子どもだったひとも、今の子どもも、同じようにワクワクできる楽しい映画であると良いなと思います。
来年も楽しみです。
春巻き
2012/12/16 11:58

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映画「ドラえもん のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー〜」感想 今をトキめかない/BIGLOBEウェブリブログ
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