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<<   作成日時 : 2016/09/23 23:58   >>

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あの日から20年が過ぎました。


9月23日は藤子・F・不二雄先生の命日です。
いろいろ悩んだのですが、
20年経った今の考えを残しておきたいと思いました。


1996年の私は中学一年生でした。
当初はただただ衝撃ばかりが大きくて、
何を失ったのかもあまり理解できていなかったように思えます。
「ドラえもん」「チンプイ」「T・Pぼん」等の
続きをもう二度と読めなくなったことは、
もちろん悲しかったのですが、
それらを生み出した方が
この世界からいなくなってしまったという空白を
どう受け止めていいか分からなかった状態かもしれません。

それまでは「大好きな漫画家」のひとりとして、
最低限のことしか存じておりませんでしたが、
新聞・雑誌・テレビなど各所の追悼特集を追いかけることで、
F先生の人となりや生涯、作品群について
初めて深く知ることになったのです。
S・F短編や「モジャ公」など、
これまで読んだことの無かった作品を、
猛烈に集めて読み始めたのも没後のことでした。

そうして、F作品に傾倒していく中で、
心に突き刺さっていた想いがあります。

それは、何も知らずに、
ただ新作を求めていた自分に対する後悔の念です。

当時は小学生でしたし、仕方が無いことでもあったのですが、
私はF先生がご病気でずっと体調が思わしくないことを全く知らず、
「45巻いつ出るんだろう? なんで出ないんだろう?
ファンレターのあて先に『早く出してください』って書いて送ろうかな?」
ということをたびたび考えていたのでした。

実行しなくて本当に良かったと思うのですが、
それでも当時はそんな考えを抱いていた自分が許せなかったのです。

「ねじまき都市」が第一回からF先生の線ではなかったこと、
スタッフを集めて今後の要望を伝えていたこと、
芝山監督にシノプシスを渡していたこと、
45巻を亡くなられた96年の4月に発売してくださったこと、
さらに「銀河超特急」もわずか一ヶ月前の8月に発売されたこと……

あとでこれらの事実を知って、冷や汗や震えや涙が止まりませんでした。
特に待ち望んでいた単行本については、
45巻も大長編もきっちり発売した後であっただけに、
なんと畏れ多いことを考えていたのかと思い知りました。

もちろん、客観的にはなんでもないと理解してはいましたが、
自分のような安易な願いが、
命を削ってまで作業させることにつながったのではないかと、
(勝手に)罪悪感にさいなまれていたのです。


S・F短編など新たに知った作品の面白さに引き込まれていく中で、
表裏一体にそうした罪悪感と後悔を抱え、
F先生と作品に対する想いは神格化にも近い形で構築されていきました。


年月とともに、
私自身が何も知らなかったことに関しては、
仕方が無かったのだろうなと受け入れられるようになりましたが、
次第にご家族の気持ちというものを
(勝手に)考えることが増えるようになりました。

私が大学を卒業する頃に、
私の父がF先生の年を越えたことも契機のようです。
確か、F先生が亡くなられたのは、
3番目の娘さんが社会人になられたばかりのことだったと
うかがったような気がしたので……(間違っていたらすみません)

自分がそのくらいの年になって分かりました。
62〜63歳って若いよ!

中学一年生の頃はぴんと来ていなかったのですが、
いざ自分の親がそのくらいの年齢になってみると、
F先生が亡くなられたのが早すぎたのだと本当に実感できました。
(大変失礼で不謹慎申し訳ありませんが)
自分の親がそのくらいの年齢で死んでしまったら、
と想像するととても寂しくて怖くなったのです。

そこであの罪悪感がまた頭をもたげてきました。
果たして、自分の親が命を削って仕事をしていた場合、
どんな気分なのだろうかと……

本当に、本当に、勝手な妄想で申し訳ないのですが、
自分だったら「作品を書いてくれ」
と願うファンを恨まないだろうか、と考えてしまったのです。

F先生に関しては、
「ぺんぺん草の生えないくらい」
とおっしゃっていたこともあり、
ご本人の意欲が第一だとは思うのですが、
あるいは、執筆活動をやめて、
ご家族とご自身のために時間を過ごすという
選択もあったのではないかと、
(勝手に)考えることもあります。

もちろん周囲の状況や事情も大きいですし、
なにより先生の意思、ご家族の意向で決められることであり、
勝手な妄想をすることは甚だおこがましくも失礼であるのですが、
折に触れてそんなことを考えてしまうことがあります。

私の父は現在73歳ですが、昨年に自営の仕事をやめて、
毎日趣味を楽しみながら元気に出歩いています。
同じ父娘として、勝手に置き換えて考えてしまうのかもしれません…… 

結局、実際がどうであるかではなく、
本質は私の気持ちであり、
心のありようなのだとは思いますが、
このことは、これからもずっと悩み考えながら、
ファンを続けていくのだと思います。
10年後、20年後、私自身に起こる変化によっても
また違った気持ちに至るのかもしれません。


 ◇

その問題は自分が問い続けることとしてひとまず置いておいて……

2016年現在の藤子・F・不二雄作品を取り巻く環境については、
とてもとても幸せだと感じております。

藤子・F・不二雄大全集の刊行で、
ほとんどの作品が読めるようになりましたし、
「オバケのQ太郎」や「パーマン」は
子どもでも集めやすいサイズ・価格の新装版で発売され、
電子書籍版も発行されるようになりました。

作品をただ読むということに関しては、
もう古本屋で探す必要が無いという状況が夢のようで、
むしろ寂しささえ感じるくらいです。
ショーケースの前でぐぎぎと固まらなくても良いなんて!

楽曲CDや映像ソフトも
まだまだレアなものは存在しますが、
かなり多くのものが手に入るようになりました。
1曲のために懐アニ曲集探さなくていいんだ!

なかでもジャングル黒べえに関しては、
単行本、DVD、サントラと三種が普通に買える日が来るとは、
15年前の自分に言っても信じられなかったと思います。
新バケルくんだって読めるし!

Abema TVといった各種動画配信によって
どこでも誰でも手軽に繰り返し観れる作品として、
藤子アニメが身近に戻ってきた感じがするのも嬉しいです。
超不定期早朝再放送のあげく、途中で打ち切りとか無いし!

グッズについての充実は凄まじく、
「ガチャでドラミさんだけ出ない!? 
ほか二個ずつダブり!? ギャヒョー!」
……とかは元からやってた気もしますが、
タワレコとかハローな子猫さんとコラボで
お洒落〜なバッグとかTシャツとか売ったりするし、
バードマンの円盤にハンコ立てたりできるし、
「タンポポ空を行く」のフィギャーがお手頃価格で買えたりするし!

えー、ゴホン。
閑話休題。

何より藤子・F・不二雄ミュージアムの存在は大きいと思います。
開館前は「これで本当に過去のものになってしまったのかなあ…」
などと思っていたのですが、
原点であると同時に、
さらなる世界の広がりを感じさせてくれる場所であると
心から思えるようになりました。

個人的には、
ものすごく原作を読んでいるという訳でもない、
ごく普通の方々がたくさん訪れていることが、
とても嬉しいです。

10代の頃は「ドラえもん」以外知らない人が多すぎる!とか、
アニメ版のイメージしかないのが悔しい!とか、
「夢やほのぼの」とかじゃなくって、異色短編読めよ!とか
そういうもどかしさも抱えていたのですが、
Fミュージアムが出来て、
幅広い層の方が訪れている様子を見て、
知識やコレクションの有無を問わず、
これだけ多くの人に「親しみ」を感じてもらえている
作品群、作家なんだということが、
本当にすごいなと、改めて知ることができました。
少なくとも「ドラえもん」が
現在も国民的作品であり続けているのは、
そうした普通の人たちの支持があってのことだと思います。

原画展示についてはいろいろな意見はあるようですが、
あの表情が大きく見れる! 
こんなところにホワイトが!
こだわりが! 描き足しが!というのが楽しいですし、
確かに人間が描いてるんだという感じられるのが
個人的にいちばん好きなポイントです。

他の方にとっては人それぞれかとは思いますが、
皆が皆、原画をじっくり観ていくわけでもないのは、
当然ですし、しょうがないことかと。
むしろ「貴重な美術品!」ではないからこそ、
さっくり観てもらえるのかなと考えますし、
何らかの話のタネになれば良いですし、
片隅にでもマンガの記憶が残ってくれれば充分かなと感じます。
そしてその中の何%かでも原作に関心を持ってもらえたり、
あるいはマンガ描いてみようかなって思う子どもが
出てくれたら嬉しいなと。

もちろん年季の入ったファンの方も、海外からも、
多くの人がいらっしゃって、
食事を楽しんだり、記念写真を撮ったり、
シアターで歓声をあげたり、ショップで目を輝かせている光景も、
とても素敵だなと感じます。
F全集も読み放題だし、
ちっちゃい子からいい大人まで、
がっつり読んでいるなんて……ここは天国か!

この場所があったことで出会えた方、
共通の話題で交流できた方々もたくさんいます。
私だけでなく他の方もきっとそうなのでしょう。

人の目に触れて、人が集まる場で、
人が楽しむ場になっていることで、
F先生の作品は生き続けるんだと思えます。



テレビ朝日が通常の放送はもちろん、
夏休みのイベント等で
アニメ・立体キャラとしてのドラえもんを動かして、
小学館がてんコミを復刻したり、
グッズや最新情報をまとめた雑誌を出して、
Fミュが作者の人となりと原稿、
そこから広がる世界を感じさせてくれる。
ネット上には文章や写真、イラスト等
様々な形で作品を愛する人が居る……

今の環境は、とてもとても幸せに感じています。


長く支離滅裂な文章になってしまいましたが……
F先生が亡くなられて20年。
これまでの道のりを振りかえって思うこと、
現在の状況について感じていること、
それらを書き留めることはできました。

世の中や自分自身もうつりゆくものではありますが、
藤子・F・不二雄先生の世界がこれからも続き、
未来へつながっていくことを願い、感謝し、
その時代の一人として生きていければ幸いです。

これからどんな新たな物語、出来事があるのか、
とても楽しみにしています!

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