Qちゃん、また来たよ! ~てんコミ新装版「新オバケのQ太郎」~

てんとう虫コミックス新装版で
「新オバケのQ太郎」が帰ってきたよー!!

発売からちょっと時間が経ってしまいましたが、
無事入手することができました。

巾着はFミュージアムで売っているクッキーの入れ物です。
画像は全てクリックで拡大。オンマウスで余談。

前のシリーズ、無印の「オバケのQ太郎」新装版は
2色カラーでシンプルな表紙デザインが話題になりましたが、
(→こちらの記事を参照)
今回は風景写真と組み合わせた表紙になっていて、
本当にQちゃんがご近所で暮らしていそうな感じがします。
家庭のスナップ写真のような、独特のボケ具合も良いですね。

電子書籍版では既に全4巻が発売されていて、
先に表紙のデザインを見ることができます。
3巻の電車は小田急線っぽいので、
もしかして生田周辺のイメージなのかな…?

タイトルロゴはポップなデザインが起こされています。
目次のフォントもオサレ!
以前のてんコミの表紙でおなじみ、
「カバンを提げたQちゃんと風呂敷をのせたOちゃん」
のイラストは裏表紙にあります。

新装版無印「オバQ」にあったような
カバー下のおまけはありませんが、
カバー折り返しの部分には
「作者のことば」が収録されています。
(以前のてんコミのごく初期の版に載っていたものとのことです)

そして今回の新装版でも
図書カードプレゼントがあるので
どしどし応募しよう!
帯に付いているてんコミマーク、
なんと1枚から応募できる親切仕様なのだ!


ただし、注意しなければいけないのが、

電子書籍版には
「裏表紙」「作者のことば」「帯&てんコミマーク」
が収録されていない
ということ!!!

「作者のことば」は惜しいなあ……
とは言え、
旧版もFFランドも全集も持ってるよ!
という方にとっては場所を取らずに
保存できるのは大きな魅力だと思います。

 ◇

逆に紙版で気になったのは、
小口の断面がでこぼこしていること。

岩ブックオフに売ると研磨されちゃうやつ。

何冊か確認しましたが全て同じ状態でした。

若干紙が薄いのか、裏映りしていますが、この価格なら文句なし!

↑こんな風にページの上下で余白の幅が違ったり、
あるいはページごとにもばらつきがあるので、
これは製本の問題ではなくて、
元原稿が古い作品ゆえに、
余白の位置が揃わなくて、
あえてやってるのかな?とも思ったのですが……

オバQ以外にもわりとこんな感じの単行本があったので、
特に深い理由は無い、のかもしれません。

岩波文庫とかのアレはそういう仕様だと知ってるんですが、
あっちは天側(上)なんだよなあ。

 ◇

閑話休題。

新オバQと言えば
とにかく無茶苦茶なヒョーロクさん! ヒョーロクさん!
そしてジェラシー爆発の伸一兄さんと伊奈子さん、
かわいく賢く、やんちゃなOちゃんに、
U子さんに首ったけのQちゃん!

無印オバQの牧歌的な雰囲気や、
天然ボケの波状攻撃、
ドロンパのツンデレも魅力ではありますが、
新オバQのイカレた、いえ、
イカした方々のハイテンションギャグも
負けじと劣らぬ魅力を放っています。

個人的にヒョーロクさんがヤバくて好きなんですが、
彼は2巻からの登場ということで別の機会に回して、
1巻ではU子さんとQちゃんの独特のきずなが分かる
「U子なんか大きらい」を紹介致します。

無印でもU子さんはパワフルな女の子でしたが、
今作ではQちゃんのU子さんへのゾッコン度合が増したことで、
(両方の意味で)振り回される頻度も上がっています。

子どもの頃はU子さんの態度悪いなーとも思ってたのですが、
基本的に彼女に悪気は無いことと、
Qちゃん相手だからこその絶妙なバランス関係なんだな
ということがだんだん分かるようになりました。

三角巾はQちゃん用が備えてありそうな気がする
てんとう虫コミックス「新オバケのQ太郎」1巻.「U子なんか大きらい」.
P131/P134より.藤子・F・不二雄.小学館.2018年


なんかめちゃ旨そうな料理作ってる すげえ!

片手に本を積み、片手に洗濯ものとはたきを持ち、
頭に三角巾を付けて
バリバリお掃除している姿も堂に入っています。

Qちゃんは決して「化けられない大食いオバケ」なだけじゃないぞ!
掃除に洗濯、お料理までこなせる
スーパー家庭的オバケなのだ!

てんコミ公式サイトで配布している
「新オバケ新聞」にも
得意なこと:家事全般と書かれていて笑いました。

前後のお話は読んでみてのお楽しみですが、
U子さんは決してやってもらって当然と思っているわけでなく、
Qちゃんだからこそ甘えてしまうのだと伝えます。

このコマのグッズ欲しい
てんとう虫コミックス「新オバケのQ太郎」1巻.「U子なんか大きらい」.
P136.藤子・F・不二雄.小学館.2018年


このページ大好きだ……!
ギーコギッコンとシーソーで行ったり来たり揺れる心情、
夜の公園の街灯で照らされた表情、
全てがグッときます。

好き嫌いの分かれるキャラかもしれませんが、
個人的にはU子さんは正直で憎めない可愛らしさがあると感じます。
というかQちゃんとのコンビがイイ!

そもそも私、
パワフルな女性が一見頼りなさそうな男性を振り回す構図が大好物なのでした。
同種の趣味をお持ちの方にはぜひお薦めしたい作品です。

 ◇

それから新Qを代表する人気キャラ、
Oちゃんの存在も欠かせません。
バケラッタとしかしゃべれないがそれが可愛い、
賢く好奇心旺盛でとっても兄想い!!

そんな可愛い弟のために
Qちゃんが頑張るエピソードが多いのも
このシリーズの魅力です。

「いつも、なにもしてやれないからな。たまには、よろこばせてやりたいよ。」
てんとう虫コミックス「新オバケのQ太郎」1巻.「サンタはくろうする」.
P178/P179より.藤子・F・不二雄.小学館.2018年


1巻では巻末の「サンタはくろうする」が印象的。
Oちゃんを喜ばそうと無理をするQちゃんの姿に
胸が痛くなりますが、
事情を察したOちゃんが、
今度は兄を気遣う様子もまた良いです……


クリスマス話と言えばもうひとつ、
4巻に収録される
「サンタとよっぱらい」もぜひご一読を。
「QちゃんとOちゃんとクリスマス」という要素は同じなのですが、
こちらはゲストキャラの物語が中心になっていて、
これがまたいい話なのです。

どちらの話も、クリスマスについて、
現実的な問題を扱いながらも、
誰かを喜ばそうとするその気持ちが嬉しいということと、
この日はやっぱり「特別な日」なんだという感じが
見事に描かれた名作だと思います。

エスパー魔美の「エスパークリスマス」や
「マミを贈ります」もそんな雰囲気ですね。
そうしたF作品のまなざしを考える上でも重要なエピソードかもしれません。


今回の新装版も以前発売されていたものと同じ全4巻構成で、
1巻で基本的なキャラ配置と人物がわかるエピソード、
2、3巻でキャラの掘り下げ、ややぶっ飛び系の話を盛り込み、
(↑主に木佐くんとかヒョーロクさん系)
4巻で締めになるような名作を配置している印象なので、
ぜひぜひ続巻もご覧ください。

U子さんに関しては4巻の
「腹ペコで死にそう」
「やさしいU子」
あたりが「U子なんか大きらい」の対になっていると思います。

 ◇


ということでエピソードの紹介をしてきましたが、
個人的にもっとも重要なのは、
「新オバケのQ太郎」のてんとう虫コミックス版が、
新刊書店で!
子どもでも買える値段で!

発売されたということなのです。

なんか無印の時も騒いでた気がしますが何回も言っちゃいます。
これがどれほどすごくて嬉しいことか!

もはや、切り抜きが無い単行本を見てもしっくりこない

だって私の持っていた「新オバQ」ってこんなだもの。
古本とは言え、表紙はびりびり、
ページ内は切り抜かれている状態です。

自分が子どもの頃には既に
オバQが希少本になりつつあったので、
小学生が近所でおこづかいで買えたのは
これが精一杯でした。

それでも、めっちゃ面白かったんですよね。
切り抜かれているページは
「何が描かれていたのかな」と想像しながら読んで……

大人になってから古書店を巡り、
もう少し状態のましな本が
「多少プレミア」くらいの値段で買えないこともなかったのですが、
私にとっての新Qはあのボロボロのてんコミだったので、
買い替えるという考えはありませんでした。

ただ、ショーケースを眺めるたびに、
今の子どもが普通に読めないということ、
新たにオバQが好きな人がなかなか増えないだろうことは、
ものすごく悔しく残念に思っていたのです。

だから無印に続いて、
(間が空いたので少しヒヤヒヤしていましたが)
新オバQもてんコミ新装版で発売されたことは、
本当に嬉しいです。


いろんな書店に行くたびに、
てんコミや児童向けのコーナーに
オバQが並んでるいるのを見てニヤニヤしていますが、
改めてすごいなあ。
こんな時代が来て、本当に良かった……

もちろんパーマンも魔美もキテレツもチンプイもデンカも。
今の子どもも楽しんでくれていたらいいな。

「自分は好きで大事に持ってるのに、周りの友達はほとんど知らないマンガ」じゃなくて、
もしかしたら「友達と一緒に読んでいるマンガ
一緒に続巻を待ってるマンガ」になっているかもしれないって、
考えたらわくわくします。

ということで、デンカなどの他の作品もよろしくと推しつつ、
今刊行中の「新オバケのQ太郎」
ぜひぜひ4巻までご覧くださいませ!

もっと読みたい!という人には
藤子・F・不二雄大全集もあります!

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